Magic; the Mathematics - イフリートの杞憂
 《熱狂のイフリート/Frenetic Efreet》のエラッタが解除されたことにより、能力の解決時に《イフリート》が場にいなくてもコインが投げられるようになった。これにより、理論上無限にコインを投げることができ、《偶然の出合い/Chance Encounter》とのコンボがレガシーで復活する兆しが見えている(トーナメントレベルかどうかはさておき)。

 ところで、このコンボには難点がある。コイントスに負けて《イフリート》が一度死んでしまうと、もうそれ以上コインを投げることができなくなるのである。つまり、能力をスタックに積む数、すなわちコインを投げる回数を初めに宣言しなければならないのだ。

 何の気の迷いか《イフリート》と《偶然の出合い》をデッキに入れてトーナメントに臨んでしまった貴方。しかも幸か不幸か2枚とも揃って引いてきた上に、どちらもカウンターされずに場に出てしまった。さあ、あとは何回コインを投げるのか決めるだけだが、回数を少なくして10回勝てなかったら笑えない。20回?30回?・・・それとも、1億回なんて気の遠くなるような回数にしないといけないのだろうか?

 簡単のために、「《イフリート》のコイントスをn回行って、《偶然の出合い》に運勢カウンターが10個以上乗る」ことを「コインをn回投げたとき、少なくとも10回は表が出る」ことに置き換えて考えてみよう。これは、高校数学の知識で解ける問題で、余事象を用いると良い。コインをn回投げて、
1度も表が出ない確率はnC0*{(1/2)^0}*{(1/2)^n}
1回だけ表が出る確率はnC1*{(1/2)^1}*{(1/2)^(n-1)}
2回だけ表が出る確率はnC2*{(1/2)^2}*{(1/2)^(n-2)}
・・・
9回だけ表が出る確率はnC9*{(1/2)^9}*{(1/2)^(n-9)}
となり、これらの確率を総和した確率は、コインをn回投げて、表が0~9回出る確率だ。余事象の考え方より、1からこの確率を引けば、表が10~n回出る確率が求められる。この計算を人の手で行うのは骨が折れるので、Excelに計算させた。その結果をグラフに示す。

 グラフより、25回も投げれば約90%の確率で《偶然の出合い》に運勢カウンターが10個以上乗り、アップキープを待つばかりとなる。さらに、30回を超えると、コイントスを増やすことによる勝利条件達成への寄与がほとんど無くなる。つまり、30回投げようが40回投げようが1億回投げようが、ほぼ100%の確率で《偶然の出合い》に必要なだけの運勢カウンターを乗せることができる (そしてほぼ100%の確率で、その時《イフリート》はこの世にはいない)。

 逆に、ひりつくようなギャンブルのスリルを楽しみたいときは、20回程度のコイントスがお勧めだ。6~7割の勝率があるが、残りの3~4割は馬鹿にできない確率である。コンボを揃えておいて自分から不利な状況に突っ込むのはどうかと思うが、自分に課すハードルの高さを自由自在に調節することができるという点で、このコンボの可能性は無限大だ。

# 遠距離レス。お暇な方は検算してみてください。
MOのアラーラブロック限定構築がクソすぎる。

TOP8のデッキリストを見てもらえば分かるが、ナヤだらけだ。《野生のナカティル/Wild Nacatl》《貴族の教主/Noble Hierarch》から《長毛のソクター/Woolly Thoctar》《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》、それらをバックアップする2種類のプレインズウォーカー《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》と《戦誉の天使/Battlegrace Angel》。除去は《忘却の輪/Oblivion Ring》《流刑への道/Path to Exile》《苦悩火/Banefire》。たまに《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》を見かけるが、まあ、だいたい、みんなこんな感じのデッキを使っている。

これに加えて環境をクソゲー化させているのが《軍部政変/Martial Coup》。コンフラックス参入前は、《戦誉の天使/Battlegrace Angel》ゲーを回避するために《炎破のドラゴン/Flameblast Dragon》を入れるとか、そういうことがあったけど、そんなの関係なしにラスゴ。《エルズペス》でビートされていようが、《イーオス》から《ナカティル》持ってこられようがラスゴ。簡単にゲームがひっくり返る。

中には、Quick’n Toastのような、コントロールカードを詰め込んだ4色以上のコントロールデッキを使っているプレイヤーも(本当にごく僅かだが)存在する。しかし、環境のクリーチャーコントロールカードが弱いので、1ターン目からの《ナカティル》ビート、《ソクター》、そしてプレインズウォーカーを十分に受けられるとはお世辞にも言えない。

で、こんな「環境にデッキが一つしかない」状態なら、この一つのデッキを狙い撃ちにした"ソリューション"が作れるのではないかと模索してみた。

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   Grixis Burn
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4《崩れゆく死滅都市/Crumbling Necropolis》
2《秘儀の聖域/Arcane Sanctum》
2《野蛮な地/Savage Lands》
4《グリクシスの全景/Grixis Panorama》
6《沼/Swamp》
4《島/Island》
4《山/Mountain》

4《ゴブリンの異国者/Goblin Outlander》
4《ゾンビの異国者/Zombie Outlander》
4《潮の虚ろの大梟/Tidehollow Strix》
4《セドラクシスの死霊/Sedraxis Specter》

4《対抗突風/Countersquall》
4《荒廃稲妻/Blightning》
4《グリクシスの魔除け/Grixis Charm》
4《苦悩火/Banefire》
2《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》
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TOP8デッキリストに載っていたデッキをちょっといじったもの。白くなきゃデッキじゃないこの環境で、よくグリクシスでデッキを組もうと思ったものだ。

《ナカティル》と《ソクター》にはプロテクション持ちと《大梟》、プレインズウォーカーには《対抗突風》と《荒廃稲妻》、《天使》には《魔除け》と《苦悩火》、そして決め技の《根本原理》と、こうやって紹介すると面子はそんなに悪くないように思える。

早速デイリーイベントに出てみると、あっという間にナヤにボコボコにされた。まず、相手以上にマナベースが脆弱。さらに、しっかりマナを揃えた上で、相手の攻勢に噛み合うカードを引いてくる必要があり、相手がそれに対処するカードを持っていないことが・・・ってハードル高過ぎだろ。《ゾンビの異国者》は《ナカティル》と《ソクター》を永続的にブロックできるだけで倒せないし、《アジャニ》で昇天。《アジャニ》にも《輪》にも引っかからない《ゴブリンの異国者》は《ナカティル》ブロックできないし、そもそも《エルズペス》が出てくると飛んじゃうからブロックできないし。あと、相手の4マナ到達に合わせて《対抗突風》構えたときに出てくる《イーオス》にマジギレしそうになった。

誕生から約2時間でこのデッキは解体。僕のような凡愚なデッキビルダーではこんなもんだ。才能のあるデッキビルダーが現れるか、アラーラ再誕が発売されるかしないと、この環境は本当に金太郎飴だ。よくクソゲーと揶揄されることの多いブロック構築だが、環境に一つのデッキしかいないのは久しぶりではないだろうか?

ということで、僕はおとなしく《貴族の教主/Noble Hierarch》を買うことにした。ナヤで何が悪い! ←これが言いたかった、タイムリーなネタだけに
咲 -Saki-(小林立、スクウェア・エニックス)

「咲 -Saki-」は、ヤングガンガンで連載中の麻雀漫画。可愛い女の子が百合したり麻雀したり百合したりで全国高校生麻雀大会優勝を目指す話なのだが、3巻にちょっと興味深いシーンがある。主人公の通う清澄高校の麻雀部部長・竹井久は、大事な局面であえて悪い待ちにする傾向(本人曰く、「悪い待ちの時ほど和了りやすい感じがする」)があり、理論派(麻雀の世界では、"デジタル"というらしい)の原村和がそれに反論する。結局、このシーンは、竹井が「世の中にはいろんな人がいるわ」という台詞から自分の麻雀に対する考えを述べておしまいなんだけど、この台詞が印象に残る。

僕は麻雀をやらないからよく分からないのだけれど、不確定要素があるゲームって、プレイヤー間の考え方の違いが顕著に現れると思う。例えば、マジックだと、GAMEJAPANで連載されている「何取る?」でも、所謂プロプレイヤー達の意見もバラバラだ。他にも、確率だとか流れだとかメタゲームだとか、そういうことについて、マジックプレイヤーは本当に十人十色だ。それを「個性」とか「プレイングスタイルの違い」と言うこともできるけれど、お互いがお互いの主張を理解し検討し、最適解を導こうとしたら、それは恐らくできないだろう。

というのも、僕らはゲームの見方について、根本的なところからどこか違っていて、それは他の人とは相容れないのだろう。こういう人のことを、「違う国の人」と呼ぶことがあった。自分の使っている"言語"とは別の言葉を話している気がしたからだ。どっちがどう正しくて間違っているのかは分からないが、それをはっきりさせるためにお互いの意見をすり合わせてみても、議論は平行線で、分かるのは「お互いの意見が違う」ことくらいだろう。

といっても、僕は自分とは違う感覚を持つプレイヤーと話をしたくないわけじゃないし、むしろ自分と異なる考え方にいっぱい触れたい。だけど、そうするときに、その考え方を十分に理解できないのが寂しくて、お互いに理解のできる"共通言語"があればなあ、と時々思うのだ。
「デッキに入っていないカードは引けない。」


なんだ当たり前のことを、と思うかもしれないが、これはデッキ構築における最も基本的な事実である。この原理を、見方を変えて書き直すとこうなる。

「1枚でも入っているカードは、引くことができる」


「引くことができる」といっても、引く可能性がある、というだけで、イカサマでもしない限りは都合の良いタイミングでそのカードを手に入れることはできない。しかし、ゲームの終盤で構築戦なら約3%、限定戦なら約5%の確率でそのカードをトップデッキできるのである(数値は概算)。

僕の尊敬するマジックプレイヤーの言葉に、次のようなものがある。

「《爆片破/Shrapnel Blast》をデッキに4枚入れるのは《爆片破》を引きやすくするためじゃない。4枚目の《爆片破》を引くためだ。」


そう、「デッキに入っていないカードは引くことができない」のである。この"0と1の差"は大きい。



<今日のまとめ>
《溶岩の斧/Lava Axe》をトップデッキして勝つと気持ちいい。
鉄板

鉄板とは、「間違いない」「確実な」という意味の言葉。

日本語俗語辞書(http://zokugo-dict.com/)より引用

現在の日本のアニメーション制作において、京都アニメーションが鉄板であることに異論を唱える人はいないだろう。今期京アニが制作するのは「けいおん!」。wikipediaによると、「廃部寸前の軽音楽部を舞台に、4人の女の子がゼロから音楽活動を行っていくストーリー」らしい。原作は月刊4コマ漫画雑誌「まんがタイムきらら」で連載されているとか。一体どこからアニメ化の話が舞い込んできたんだ。

まあそれはともかく、京アニが作ったんだったら1話だけでも見てみるか。



・・・



お・・・



面白えじゃねえかよ・・・



OPもEDも、それこそ軽音部が文化祭で歌いそうなノリの良い曲。特にED曲「Don’t say "lazy"」がかっこよくてお気に入り。どちらの曲も、すごく出来が良いとか、斬新って訳じゃないんだけど、バンドっぽい雰囲気がよく出てる。ワンチャンスCD買っちゃうかも。

キャラクターはいつも通り可愛く描かれてる。あんまり名前の知られていない若手声優をばんばん起用しているのも好印象。そして、いつもの京アニクオリティでよく動く。

ストーリーは山もオチも全然無い。原作が4コマ漫画だから「らき☆すた」みたいにゆるゆる~っと30分が過ぎていく。1話はお菓子食べるだけだったし、2話はギター買いに行くだけだったが、その30分があっという間。そして、「早く続きが見たい」と思う僕がいるわけだ。「けいおん!」のどこがそんなに、僕を惹きつけるのだろうか?
animation(アニメーション)は、ラテン語で霊魂を意味するanima(アニマ)から由来しており、生命のない動かないものに命を与えて動かすことを、意味する。
(wikipediaより引用)
アニメーションは、複数の静止画像を連続させて動きを作る。それが、静止画に描かれたキャラクターに命を吹き込むことになる。思うに、京都アニメーションは、この作業を丹念にやっているだけなのだ。それも、「丹念」の一言で片付けられないほど、周到に、繊細に。「絵を動かす」というアニメーションの本質に、愚直なまでに忠実なのだ。

このアニメは、独特の世界観があるわけでもないし、壮大な、もしくは巧妙なストーリーがあるわけでもない。女子高生が軽音部するだけだ。だけど、彼女たちが生き生きと動くだけで、このアニメは魅力的だったのだ。
新年度になりまして、研究室生活が始まりました。昨日から実験があり、ハードではあるのものの充実した毎日が送れそうです。マゾなので忙しいと断然燃えます。

あと、毎朝ジョギング始めました。タヌキさんが「走って痩せるからジョギングシューズ買ってよ」と言うので、”痩せなかったらシューズ代を返してもらう”ことを条件に靴を買ってあげたのですが、それをきっかけに自分も走ることにしました。三日坊主にならないように頑張ります。

マジックの方は、AACドラフトは飽きたしGP神戸にいく予定も無いしで、放置気味でした。MOでブロック構築を始めるという手はあるんですが、コンフラックスのカードを全然持っていないし、買った後で忙しくてロクにデイリーイベントに出られなくなりそうなのでパスかなあ。週末にはグラコロを開催して、あとはアラーラ再誕のプレリまで冬眠の予定です。
福島はDDDさんの主催する眼鏡杯へ遊びにいってきました。デッキはDDDさんから借りた白赤ヒバリ。多少賞味期限が切れている気がしないでもないですが、一度トーナメントで使ってみたかったので。


Round1 白赤ヒバリ ××
1.相手の《迎え火のしもべ/Balefire Liege》が強すぎて負け。既に《目覚ましヒバリ/Reveillark》と《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》でいっぱいな5マナ域だが、《栄光の頌歌/Glorious Anthem》能力もライフゲインも本体3点も強力でした。
2.《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》で土地を伸ばして《神の怒り/Wrath of God》できれいにして・・・と画策しているうちに《運命の大立者/Figure of Destiny》と《モグの狂信者/Mogg Fanatic》に殴られて負け。相手の方がミラーマッチを戦い慣れていた感がありました。


Round2 白赤ヒバリ ○○
1.《大立者》《モグの狂信者》から《頌歌》でビート。
2.消耗戦の末《包囲攻撃の司令官》をトップしてきて勝ち。ミラーは《ヒバリ》《包囲攻撃の司令官》引いたもん勝ちで、クソゲーな感じが否めないのですが。


Round3 グリクシスコントロール ×○○
トースト風味。4色目以降は見てないので、一応グリクシスで。
1.《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》《リリアナ・ヴェス/Liliana Vess》と揃えられて、《紅蓮地獄/Pyroclasm》連打されて負け。《リリアナ》でサーチしてきたカードを《ジェイス》ですぐに引かれたのを見てちょっとときめきました。
2.対戦相手が土地2枚でストップ、合掌。
3.《ゴブリンの突撃/Goblin Assault》が強すぎました。黙っているだけで勝てました。ビバ自動操縦。


Round4 ユグドラシル ×○×
1.相手先手1ターン目《貴族の教主/Noble Hierarch》から2ターン目《ロウクスの戦修道士/Rhox War Monk》でごめんなサイ。←カバ雄先生向けのネタ
2.こちらが軽快にビートする一方で、相手は順調にフィルターランドをセットし続け終了。
3.《包囲攻撃》《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》×2、《モグの狂信者》と除去祭りハンドが《避難所の印/Mark of Asylum》で封殺されて死亡。


ということで2-2というパッとしない成績でした。一方で、一緒に行ったタヌキさん、マスター、サクマさんがワンツースリーフィニッシュしていて、嬉しいような寂しいような何とも言えない気分でした。まあそれなりに遊べたので満足満足。
久々にMOを立ち上げてみたものの、パックは二束三文のコンフラックスしかないし、ドラフトをやる気もさほど起きないので、アラーラブロック構築の白単を組んで遊んでました。レシピはこんな感じです。

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   Mono White Beatdown
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23 《平地/Plains》

4 《アクラサの従者/Akrasan Squire》
4 《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》
4 《印章持ちの聖騎士/Sigiled Paladin》
4 《エイヴンの従者/Aven Squire》
2 《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》
4 《戦誉の天使/Battlegrace Angel》

4 《卓越の印章/Sigil of Distinction》
4 《忘却の輪/Oblivion Ring》
3 《破門/Excommunicate》
4 《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》
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低マナ域のクリーチャーを賛美や《印章》、《エルズペス》でバックアップしてビートダウンするデッキです。コンフラックスで得たカードは《エイヴンの従者/Aven Squire》と《流刑への道/Path to Exile》でしょうか。チャンプブロックされにくい優秀なフライヤーである《エイヴンの従者》はコンスタントにダメージを叩き出してくれるでしょうし、《流刑への道》は言わずと知れた優秀除去です(レシピでは《破門》になっていますが、これは僕が《流刑への道》を持っていなかったためです)。

コンフラックス参入前の白単の立ち位置をおさらいしておきましょう。《野蛮な地/Savage Lands》を初めとするタップインランドが数多く採用されているこの環境において、マナベースが《平地》のみ、かつ1マナから始まるビートダウンという構成の白単は、初速にものを言わせてナヤやエスパー、多色コントロール系のデッキを圧倒していました。唯一《ジャンドの魔除け/Jund Charm》や《カルデラの乱暴者/Caldera Hellion》を標準搭載したジャンドに対しては分が悪かったものの、スピードと《エルズペス》によりねじ伏せてしまうことも珍しくありませんでした。

コンフラックスが入ってからは、白単キラーとして《火山の流弾/Volcanic Fallout》が搭載されるようになりました。こちらの3ターン目までの動きをこれ1枚で受けられてしまうため、今まで有利だったナヤ系にも不利な戦いを強いられることになりそうです。さらに《流弾》の上から《無秩序の点火/Ignite Disorder》もサイドに取られるようになると、本当に苦しくなります。サイドボードに《避難所の印/Mark of Asylum》は必須になるでしょう。

対策カードを使われたときの脆さや、環境を牽引するトップスピードなど、エクステンデッドの親和と似ているような感じがします。親和と同じように、メタゲームの合間を縫って、さっと勝ちを掠め取るのが良いのかも知れません。
楚人に盾と矛とを鬻(ひさ)ぐ者あり。これをほめていはく、「わが盾の堅きこと、よくとほすものなきなり。」と。また、その矛をほめていはく、「わが矛の利なること、物において陥(とほ)さざることなきなり。」と。あるひといはく、「子の矛をもつて、子の盾を陥(とほ)さばいかん。」と。その人こたふることあたはざりき。(韓非子)


金曜特別ロードショー「ルパン三世VS名探偵コナン」。

稀代の怪盗と名探偵を戦わせるというこの企画は、韓非子の一説を思い出させる。矛盾と言うわけじゃないけれど、突き合せちゃいけないタイトルだと思う。

・画風が全く異なるので、毎シーンがコラ画像みたい
・メインテーマはルパンとコナンどっちにするんだ
・蘭姉ちゃんと不二子ちゃんでは女の格が違う
・目暮警部と銭形のとっつぁんでは(以下略
・コナンは先に黒の組織を倒すべき、ルパンと戦ってる場合じゃない

まさに誰得動画。最後には共通の敵が出てきてやっつけられるんだろうけど、それまでがもどかしすぎる。
前回のPTQに引き続きロームを使おうと思ったところ、貸し出し中のため借りられず。仕方がないので手持ちのパーツで組めそうな親和を持って行くことに。

会場に着くとカバ雄先生が紙の束のようなものを回していたので一通り罵倒。心が折れたらしいが、手持ちのドメインズーも使いたくないそうで、ここでデッキ交換。こうしてドメインズーで参加することに。

参加者11名の4回戦。エクテン人気ねーなー。

Round1 親和 ○○
Round2 青白トロン ○×○
Round3 発掘 ID
Round4 タルモフェアリー ID
準々決勝 デミゴッドストンピィ ○○
準決勝 青白トロン ○×○
決勝 青赤テゼレッター ×○×

で準優勝。神戸は行くつもりがないので3Byeはいらなかったのだが、やっぱり負けると悔しい。ミスも目立っていたし。しかし、うっかりバイを取ってしまったら神戸に行く算段を立ててしまいそうなので、これはこれでよかったのかも。

そして、これにて個人的にエクテンシーズンは終わり。アラーラの再誕発売までちょっと間が空くのが寂しい感じ。
ちょっと間が開きましたが、PTQ後の感想と今後の改良案について。

まず、《虚空の杯/Chalice of the Void》が非常に厳しいと感じました。X=1では《カラスの罪/Raven’s Crime》がシャットダウンされてしまいますし、X=2ではこのデッキの核とも言える《壌土からの生命/Life from the Loam》が機能しなくなってしまいます。しかも、《罪+罰/Crime+Punishment》の採用により、X=2で設置された《杯》にはメイン・サイド合わせて対処が出来ないことが分かりました。このシチュエーションをケアするのなら、《燻し/Smother》を《化膿/Putrefy》に戻すか、《罪+罰/Crime+Punishment》を《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》に戻すかしなければなりません。どちらにしろ、ビートダウンに対する耐性が若干にしろ落ちてしまうことを覚悟する必要がありそうです。ちなみに、僕なら《化膿/Putrefy》の汎用性も捨てがたいですが、重さが命取りになりそうなので後者を選択します。

また、ZOOに対して、終盤に《幽霊街/Ghost Quarter》で赤マナソースを無くす、というゲームプランがありましたが、流石に夢見すぎでした。そこで終盤にライフを安全圏まで持って行ける手段を考えてみたのですが、《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》や《貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth》+《変わり谷/Mutavault》+《壌土からの生命/Life from the Loam》という手段こそあれ、発掘によってライブラリを掘るか素直にカードを引くかの判断が必要になるので、《吸命/Syphon Life》を採用してはどうか、ということに落ち着きました。これなら、相手のクロックを外した後にひたすら発掘し、《蟲の収穫/Worm Harvest》または《壌土からの生命/Life from the Loam》から《変わり谷/Mutavault》をセットしてクロックを作った後、《吸命/Syphon Life》でライフをリカバリする、という一貫したプランが選択できます。終盤なら2回の回顧は余裕でできるので、毎ターン4点以上のドレインが見込め、《ベイロス》での回復プランに見劣りしないと思います。

最後に、現在のエクステンデッド環境においてBitterLoamは非常に有力な選択肢であると思います。環境をリードするエルフ・フェアリーに有利な上、それを追うZOOや親和といったデッキとも戦えるためです。唯一ストーム系のデッキは苦手ですが、勝つパターンは用意してあるので、絶対に勝てないというわけでもありません。重い・強いというトロンのようなデッキが流行ってくれば、不利な戦いを強いられることになりそうですが、そのようなデッキはエルフ・フェアリー・ZOO・親和に押さえ込まれるために台頭できません。このような勢力図が続く限りは、BitterLoamを使い続けてもいいかな、と思ってもいます。


PTQシーズンに向けて調整に励んでいるプレイヤーの参考になれば幸いです。ご意見・ご感想お待ちしております。
PTQで使ったBitterLoamの調整過程をさらっと。

使うデッキを決めかねていたPTQの2週間前、カバ雄先生に勧められたのがGPロサンゼルスでトップ8に残っていたBitterLoamでした(レシピはhttp://www.deckcheck.net/deck.php?id=22715参照)。《壌土からの生命/Life from the Loam》入りのデッキを使ってみたかったのもあって、このデッキをいじってみることにしました。プレイテストの結果は、フェアリーとエルフにやや有利な感じ。対フェアリーでは《暗黒破/Darkblast》がクロックのほとんどをシャットダウンする上、《壌土からの生命/Life from the Loam》を搦めての《カラスの罪/Raven’s Crime》が強力でした。対エルフではやはり《暗黒破/Darkblast》が非常に有効、というかこれ1本で片が付きます。その一方で、親和やZOOといったビートダウンはちょっと苦手な様子。《暗黒破/Darkblast》が効きにくい上に《化膿/Putrefy》ではテンポが悪く、どうにも相手の攻撃を受けられない印象を受けました。例年の傾向から、仙台ではフェアリー・エルフのようなテクニカルなデッキよりも、親和・ZOOのような単純なデッキの方が好んで使われることが予想されたので、これらのデッキへの耐性を上げることが当初の目標でした。

で、とりあえず重さが目立つ《化膿/Putrefy》を《燻し/Smother》に差し替え、《小悪疫/Smallpox》を投入しました。《小悪疫》は単に「好きだから」という理由で使い始めたのですが、《壌土からの生命/Life from the Loam》でリカバリが効くというデッキとの相性の良さもあり、またZOOにはクリーチャーと温存していた火力を持って行く上にマナトラブルを引き起こし、機能不全に陥らせることができることがわかりました。さらに軽量の除去として《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》を採用し、ZOOのスピードには何とか追いつけました。

ところが、このチューンを施しても親和には歯が立ちませんでした。ZOOよりも大量にクリーチャーを展開するため《小悪疫》が効きにくく、《頭蓋囲い/Cranial Plating》のせいで全てのクリーチャーが脅威になり得ます。《苦花/Bitterblossom》のチャンプブロックによる時間稼ぎも《致命的な激情/Fatal Frenzy》でダメージが抜けてしまうなど、どうやっても親和を押さえ込むことは出来ませんでした。

そこで、《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》を《罪+罰/Crime+Punishment》に差し替えることにしました。これは調整途中で試していた黒緑デスクラウドからヒントを得たものでした。このデッキもDeckcheckで拾ったもので、なんと《死の雲/Death Cloud》《滅び/Damnation》だけでなく《小悪疫/Smallpox》《罪+罰/Crime+Punishment》まで入っていたと記憶しています。この構成は元気が良くて大変よろしいのですが、これら重いカードを《金属モックス/Chrome Mox》や《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》で運用するというティンカー戦略はデッキパワーが落ちるため好ましいとは言えず、もともと相性の良かったマッチアップも取りこぼしてしまいそうなため諦めました。

閑話休題。《罪+罰》は、親和の土地をまとめて吹き飛ばせる《爆薬》でした。《爆薬》としての用途の他、土地と《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》とを片付けてしまえば親和の展開力は激減し、《致命的な激情/Fatal Frenzy》による即死も恐れなくて済むようになりました。《爆薬》と違ってコストを分割払いできないのがデメリットでしたが、ZOOとのマッチアップでもこれが致命傷になることは少なかったので我慢することにしました。後は、既に展開されてしまったクリーチャーを片付けるだけです。これには《滅び/Damnation》を使うことにしました。

そんなこんなで非常にマルカっぽくなってしまったレシピがこちら。

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   BitterLoamPox
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4 《やせた原野/Barren Moor》
2 《平穏な茂み/Tranquil Thicket》
2 《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
2 《汚染された三角州/Polluted Delta》
3 《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
1 《幽霊街/Ghost Quarter》
3 《変わり谷/Mutavault》
2 《草むした墓/Overgrown Tomb》
1 《神無き祭殿/Godless Shrine》
2 《森/Forest》
2 《沼/Swamp》
2 《黄昏のぬかるみ/Twilight Mire》

3 《苦花/Bitterblossom》
4 《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》

3 《暗黒破/Darkblast》
3 《カラスの罪/Raven’s Crime》
3 《燻し/Smother》
2 《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
4 《小悪疫/Smallpox》
4 《壌土からの生命/Life from the Loam》
4 《罪+罰/Crime+Punishment》
3 《滅び/Damnation》
1 《蟲の収穫/Worm Harvest》

サイドボード
4 《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
4 《思考囲い/Thoughtseize》
3 《真髄の針/Pithing Needle》
2 《迫害/Persecute》
1 《暗黒破/Darkblast》
1 《カラスの罪/Raven’s Crime》
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当時のレシピをメモし忘れたのでうろ覚えですが、こんな感じだったと思います。各デッキとのマッチアップは以下の通り(実際に戦ったデッキのみ)。

フェアリー
《暗黒破/Darkblast》《壌土からの生命/Life from the Loam》《カラスの罪/Raven’s Crime》《幽霊街/Ghost Quarter》がキーパーツです。クロックは《暗黒破》で外し、《壌土》《カラスの罪》で手札を吐かせた後はどうにでもなります。《変わり谷/Mutavault》と《激浪の研究室/Riptide Laboratory》が邪魔なら《幽霊街/Ghost Quarter》で対処しましょう。サイドボード後は《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》もしくは《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》で墓地対策がされるため《壌土》に頼りっきりとはいきません。《タルモゴイフ/Tarmogoyf》《真髄の針/Pithing Needle》《迫害/Persecute》をサイドインし、墓地対策が《針》で止まるようならメインと同様に、そうでないなら盤面でゲームを押していけるようにしたいです。

エルフ
とにかく《暗黒破/Darkblast》。捌いた後は速やかに《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》に繋げ、反撃の芽を摘み取りましょう。サイドボードも追加の《暗黒破》のみ。

ZOO
ライフを大事にしながら相手のクリーチャーを捌き、《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》で安全圏まで持って行くのが理想です。終盤は火力トップデッキが怖いので《幽霊街/Ghost Quarter》でひたすら赤マナソースを潰していくことになります。サイドボードはナイスブロッカー《タルモゴイフ/Tarmogoyf》。

親和
《罪+罰/Crime+Punishment》で出足を止めてから《滅び/Damnation》。《頭蓋囲い/Cranial Plating》の一撃が致命傷になりかねないので、出来る限りケアしたいところです。サイド後は《囲い》や《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》といった痒いところに《針》が効くのでもう少し楽になります。

ストーム
《壌土からの生命/Life from the Loam》から《カラスの罪/Raven’s Crime》をひたすら撃ち込むのが基本ですが、生半可な連打ではコンボを許してしまいます。サイドは追加の《カラスの罪》と《迫害/Persecute》。

と、PTQまではこんな感じでした。次回は、PTQを終えてからの感想と、改良案を書こうと思っています。
巷で阿鼻叫喚な基本セットの変更についてですが、再翻訳してみます。


・基本セットは売れないので廃止します。

・今までは、年に4つの新しいカードセット(ラヴニカ+コールドスナップだとか、時のらせん+第10版だとか、ローウィン・シャドウムーアブロック)を発売していました。この状況から、基本セットが無くなるとちょっと寂しいです。

・ということで、基本セットの代わりに、ハーフ・エキスパンションを出すことにします。このカードセットは、名前の通り収録カード数も使える期間も半分です(正確には、使える期間にはおまけの3ヶ月が付きます)。

・これからのスタンダードは、2つのブロックとこのハーフ・エキスパンションで構築することになります。


こう考えたら、ウィザーズのパックを売りたい下心は気にくわないものの、そんなに悪くなってないじゃんと思いました。ちなみに、個人的な都合に即して、
・新しいカードセットが出る度、構築で使うカードは全てシングルで揃える(=リミテッド以外ではパックを買わない・剥かない)
・基本セットに再録されたカードは持っている
ということが前提になっています。"基本セットに代わるもの"として考えるから非常にイメージが悪くなるわけで。

時のらせん発売の時も「タイムシフトで《獣群の呼び声/Call of the Herd》とか《呆然/Stupor》とか帰ってくるのかよ。やってらんねーよ」と愚痴ってましたが別にたいしたことはありませんでした。今回の変更も何だかんだ言いつつそんなに悪いことにはならないんじゃないでしょうか(少なくとも僕個人としては)。

心配なのは、パックを売ることを目的としたこの変更によって、よりパックを買うことを躊躇わせ、シングルでカードを集めるプレイヤーが増え、結果としてパックが売れなくなり、シングルを扱わない店舗にしわ寄せが行くことです。これが衰退のきっかけにならなければいいのですが・・・。

それはそれとして、ウィザーズは儲けを出そうとする前に、購買層の拡充を図れよ、と。
PTQホノルル@仙台。

日本でのエクステンデッドシーズン一番乗りのPTQということもあってか、首都圏からの遠征もなく参加者16人の4回戦+シングルエリミ3回戦。参加者の半分がエイトに残るとか、とんでもないトーナメントになった。

デッキはBitterLoamPox。BitterLoamに《小悪疫/Smallpox》入れただけ。ななし先生リスペクト。

Round1 青赤テゼレッター(TKコングさん) ○×-
Round2 ZOO(けんけんさん) ○○
Round3 ZOO ××
Round4 エルフ(hate君) ○○
準々決勝 ZOO(Round3で当たった方) ○○
準決勝 フェアリー(セルク君) ×○○
決勝 フェアリー(saitomuさん) 譲っていただきました

ということでホノルルの権利&航空券ゲット。PTQ抜けは2年ぶり。権利を取ったことよりも、権利を取ったことを喜んでくれる人がいてくれたことが本当に嬉しかった(特にカバ雄先生は俺よりもはしゃいでた)。今この日記を書きながら、そんな幸福を改めて感じています。ありがとうございました。

デッキレシピとかは後で書く、かも。
マスカレイド・サイクル。

マスクス・ブロックとも呼ばれ、メルカディアン・マスクス、ネメシス、プロフェシーの3つのセットからなるブロックである。先にはウルザ・ブロック、後にはインベイジョン・ブロックと、パワーカードの多いブロックに挟まれてしまった悲運なブロックとして語り継がれている。

ぽんた氏の主催する「第33回山形MTGの集い」において、このマスクス・ブロックのシールドがあると聞いて参加してきた。リミテッドをやり始めたのは神河からなので、マスクス・ブロックのシールドは初体験。普段とは違ったマジックを求めたのかもしれない。

パックからは、マジックを始めたころに最強だと思っていたクリーチャー、《ラッシュウッドの精霊/Rushwood Elemental》が登場。いま考えてみれば、どうやって緑マナを5つも出したんだろう。

1《クリスの魔道士/Kris Mage》
1《シルバーグレイド峡谷の開拓者/Silverglade Pathfinder》
1《ディープウッドの鼓手/Deepwood Drummer》
1《ラッシュウッドの薬草医/Rushwood Herbalist》
1《尾根の憤怒獣/Ridgeline Rager》
1《戦闘塁壁/Battle Rampart》
1《山脈の闘獣/Spur Grappler》
1《大イモムシ/Giant Caterpillar》
1《戦争売り/Warmonger》
1《野生のジョーヴァル/Wild Jhovall》
1《鼻を鳴らすガア/Snorting Gahr》
1《狩り立てられたウンパス/Hunted Wumpus》
1《シルバーグレイド峡谷の精霊/Silverglade Elemental》
1《毒吐き蜘蛛/Spitting Spider》
1《ヴィンタラの象/Vintara Elephant》

1《力の印章/Seal of Strength》
1《炎の印章/Seal of Fire》
1《ジョルレイルの好意/Jolrael’s Favor》
1《蜘蛛糸の鎧/Spidersilk Armor》
1《恐ろしき攻撃/Panic Attack》
1《殺し/Snuff Out》
1《疫病風/Plague Wind》

9《森/Forest》
7《山/Mountain》
3《沼/Swamp》

緑と赤の中量級クリーチャーをジャイグロと《恐ろしき攻撃/Panic Attack》で通すプラン。《疫病風/Plague Wind》は正直浮いている感があるが、ゲームは結構長引くこともあるらしいので入れてみた。タヌキ曰く、「マジックを馬鹿にした方が勝つ」らしい。

Round1 ○○
1.《狩り立てられたウンパス/Hunted Wumpus》がデカくて勝ち。
2.まったりしつつ《疫病風/Plague Wind》からフルパンチで勝ち。

Round2 カバ雄先生 ○××
つい3日前までは「マスクスのシールドなんてクソゲーだ」とのたまっていた彼だが、気が変わったのか参加。デッキは会場トップクラスの強さだそうでご機嫌の様子。
1.初手に《シルバーグレイド峡谷の開拓者/Silverglade Pathfinder》と《疫病風/Plague Wind》があるので、まったりしつつ土地を伸ばしていく。相手が《カイレン式交渉/Kyren Negotiations》で本体集中砲火モードの構えを見せた返しで《疫病風》。
2.ショタスピこと《宝飾のスピリット/Jeweled Spirit》が無双して負け。
3.ゲーム2同様《宝飾のスピリット》が無双。可愛い顔とは裏腹に、やってることはえげつない。

Round3 ゲイザー ○○
1.《毒吐き蜘蛛/Spitting Spider》が固くて勝ち。
2.《オラクシド/Oraxid》がこちらの赤いクリーチャーをガッチリ固めて負け。
3.サイドインした《洞窟感覚/Cave Sense》と《ディープウッドの鼓手/Deepwood Drummer》でダメージを抜いて勝ち。

Round4 ○○
1.中堅クリーチャーを《鼓手》がバックアップして勝ち。
2.《野生のマンモス/Wild Mammoth》と《ファイレクシアのうろつくもの/Phyrexian Prowler》にビートダウンされるも、《狩り立てられたウンパス》が戦線を立て直す。持ち直して《ラッシュウッドの薬草医/Rushwood Herbalist》のバックアップを受けてビートダウン。


3-1でオポ同率、GWPで勝ってたらしく2位に。マスクスのトーナメントパックをいただく。家に帰ってから開けてみると《高級市場/High Market》のFOILが。どうしろというんだ。

印象に残ったのは、思っていたよりもさらにスペルシェイパーが強かった(特に《クリスの魔道士》は先出しすると、他のスペルシェイパーをほとんどシャットダウンできる)ことと、飛行が全然止まらないこと。あとは最近のシールドよりも、弱いパックを引くと本当にどうしようもないと思った。

まとめ。
・スペルシェイパーはクソ(特にクリス)。
・《宝飾のスピリット》はクソ。
・マスクスブロックのシールドはクソ。

しかしながら(リミテッドで)初めて触るエキスパンションだっただけに新鮮だった。いまアラーラをやったら、いつもよりも面白く遊べると思う。
アップキープキリシバリ。

モーニングタイドが発売されてからというもの、カードをプレイすることなくターン終了を余儀なくされるという、この魔法の呪文にしてやられたプレイヤーは星の数ほどいます。そう、《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》です。よく考えたらコイツ、相手を《枯渇/Mana Short》させながら登場する《大気の精霊/Air Elemental》なんですよね。しかも何故か4マナ。《苦花/Bitterblossom》なんかの前にコイツをどうにかするべきだと思うんですが、全国のアンチフェアリーの皆さん、どうでしょうか。

で、前環境でこのクリーチャーに最も泣かされたデッキと言えば、白単ビートダウンでしょう。除去は《損ない/Unmake》のみ、後はクリーチャーと《栄光の頌歌/Glorious Anthem》という赤単も裸足で逃げる漢っぷりなのですが、《霧縛り》で足が止まってしまったり、《誘惑蒔き/Sower of Temptation》で仲間がアブダクションされたりと苦難の日々が続いていました。エルフなど他のビートダウンと比べてクリーチャーが小粒なために、《霧縛り》が出てきたターンはアタックができません。そして、このターンでダメージを抜けなかったばっかりにフェアリーお得意のトリック(《苦悶のねじれ/Agony Warp》、《ウーナの末裔/Scion of Oona》、《謎めいた命令/Cryptic Command》)でダメージレースを捲られてしまいます。また、《霧縛り》が出てこないケースでも、《末裔》→《誘惑蒔き》のパターンで酷い目に遭うことも。慢性的に除去の枚数が足りないために、これらのクリーチャーをまとめて2枚以上引かれると苦しいゲーム展開にならざるを得ません。

前置きは長くなりましたが、そこでこの《剣を鍬に/Swords to Plowshares》の登場となるわけです。
流刑への道/Path to Exile  (白)
インスタント CON, アンコモン

クリーチャー1体を対象とし、それをゲームから取り除く。それのコントローラーは、自分のライブラリーから基本土地カードを1枚探し、そのカードをタップ状態で場に出し、その後自分のライブラリーを切り直してもよい。

これからはアップキープに《霧縛り》されても、これを捌きながら余ったマナでアクションが起こせます。そして、そのターンでのアタックは勝利に対する大きな一歩となることでしょう。相手に土地を与えるデメリットはありますが、それを補って余りある1ターンを得ることになるのです。

また、他にも試してみる価値のあるカードはあります。
威圧の王笏/Scepter of Dominance  (1)(白)(白)
アーティファクト CON, レア

(白),(T):パーマネント1つを対象とし、それをタップする。

微妙なキャスティングコストの重さが気になっていた《氷の干渉器/Icy Manipulator》が、やっと実用的な運用コストになりました。Finals2008では赤をタッチして《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》を入れたタイプの白単が流行しましたが、《威圧の王笏/Scepter of Dominance》も《アジャニ》と同じようなポジションで働いてくれそうです。《アジャニ》よりも優れている点としては、「2枚以上引いても効果がある」「割れにくい、ゆえに《アジャニ》のように守る必要がない」「タフネス4以上のクリーチャーも押さえ込める」といったところでしょうか。

そうそう、タッチ赤といえばこのカードも見逃せません。
苦悩火/Banefire  (X)(赤)
ソーサリー CON, レア

クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。苦悩火はそれにX点のダメージを与える。

Xが5以上である場合、苦悩火は呪文や能力によっては打ち消されず、そのダメージは軽減されない。

キスキンを排除したタイプの白単では、《雲山羊のレインジャー/Cloudgoat Ranger》を運用するマナベースの都合上と、《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》のおかげで終盤は土地が並びます。この余りあるマナを注ぎ込める点で、フィニッシュブローとして《苦悩火/Banefire》は適任と言えるでしょう。コントロールに対してあと数点、クリーチャーは捌かれてしまい、その上相手はカウンターを構えている、なんて状況でもへっちゃらです。また、白単キラーとして名を馳せた《静月の騎兵/Stillmoon Cavalier》もサクッと除去できますし、痒いところに手が届く1枚になりそうです。

さらに、全体除去に対するケアもより充実しました。
確実性の欠落/Lapse of Certainty  (2)(白)
インスタント CON, コモン

呪文1つを対象とし、それを打ち消す。その呪文がこれにより打ち消された場合、それをそのプレイヤーの墓地に置く代わりに、オーナーのライブラリーの一番上に置く。

《確実性の欠落/Lapse of Certainty》は1マナ重くなった《記憶の欠落/Memory Lapse》ですが、《神の怒り/Wrath of God》や《炎渦竜巻/Firespout》を《差し戻し/Remand》することによってもう1ターンだけダメージを抜くチャンスができます。Quick’n Toastのような比較的重いカードで構成されているデッキに対しては非常に効果的でしょう。

避難所の印/Mark of Asylum  (1)(白)
エンチャント CON, レア

あなたがコントロールするクリーチャーに与えられる、すべての戦闘ダメージでないダメージを軽減する。

露骨なフェアリー対策である《火山の流弾/Volcanic Fallout》の煽りを受けて、白単のホード戦略も危うしと思いきや、《ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender》よりも頼りになるエンチャントの登場です。《ブレンタン》と違い本体へのダメージは軽減してくれませんが、効果は一度きりではないので、もう単発の火力を撃たれても《ブレンタン》をサクるかどうか迷う必要はありません。


ひたすら殴るだけの白単ですが、コンフラックス参入により、若干融通が利くようになった印象があります。最初に流行るのは既存のタッチ赤タイプに《苦悩火/Banefire》を追加したバージョンでしょうか。赤いデッキが増えてくると《復讐のアジャニ》を《黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane》に戻して《栄光の頌歌》の枚数を増やしたタイプが台頭してきそうです。どちらにしろ、まだまだ白単のビートダウンは止まりそうにありません。

(気が向いたら、part4に続く)


(カードテキストはWisdom Guildより転載)
プレリリースに参加された皆様、お疲れ様でした。一日いっぱいコンフラックスで楽しめましたでしょうか?

さてさて、バーンに相性の良い《ドラン》デッキの話になりますが、コンフラックスで一番の収穫はこのカードでしょう。

貴族の教主/Noble Hierarch  (緑)
クリーチャー — 人間(Human)・ドルイド(Druid) CON, レア

賛美(あなたがコントロールするいずれかのクリーチャーが単独で攻撃するたび、そのクリーチャーはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける。)

(T):あなたのマナ・プールに(緑)か(白)か(青)を加える。
0/1


コンフラックスのトップレアと言っても過言ではない「魅惑のマダム」こと《貴族の教主/Noble Hierarch》。何が嬉しいかといえば、賛美もそうですが、白マナと青マナを生み出してくれるところです。

アラーラの断片参入後、《ドラン》デッキに《ロウクスの戦修道士/Rhox War Monk》と《バントの魔除け/Bant Charm》を入れようとしたデッキビルダーは少なくないと思います。しかし、《極楽鳥/Birds of Paradise》から2ターン目に《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》や《ロウクスの戦修道士/Rhox War Monk》を出すためのマナベースを構築しようとしたときに、どう工夫しても、安定して要求を満たすような土地配分ができないという壁にぶつかってしまうのです(やったことがない方は、是非一度挑戦してみてください)。そして《鮮烈な林/Vivid Grove》を初めとするタップイン土地と《反射池/Reflecting Pool》の組み合わせに頼るようになり、1ターン目に出なくなる《極楽鳥/Birds of Paradise》が抜け、《炎渦竜巻/Firespout》を入れるとあら不思議、ちょっとアグロなトーストの出来上がり・・・と、いつの間にか《ドラン》デッキがQuick’n Toastになっているという現象がしばしば起きました。

そんな問題を解決してくれるのがこのマダム。白マナも青マナも生み出してくれるおかげでより《ロウクスの戦修道士》との共存に近づきました。もちろん、1マナクリーチャーへの依存度は高くなってしまうわけですが、2ターン目に《ドラン》や《ロウクスの戦修道士》を叩きつけるインパクトは大きいです。特に赤いデッキは火力をまとめて当てないと倒せないため、2~3ターン殴られ続けることになるでしょう。もちろん後続にも《カメレオンの巨像/Chameleon Colossus》を筆頭にサイズのあるクリーチャーが控えていますから、火力が足りなくなるはずです。

そして、マナベースの問題上《損ない/Unmake》を採用できなかった除去のスロットですが、このスロットにぴったりのカードが現れました。

流刑への道/Path to Exile  (白)
インスタント CON, アンコモン

クリーチャー1体を対象とし、それをゲームから取り除く。それのコントローラーは、自分のライブラリーから基本土地カードを1枚探し、そのカードをタップ状態で場に出し、その後自分のライブラリーを切り直してもよい。


「新ソープロ(《剣を鍬に/Swords to Plowshares》)」と期待を寄せられる《流刑への道/Path to Exile》は、色拘束も軽く使いやすい除去です。クリーチャーの性能で盤面を押していくので、序盤に撃たざるを得ず相手の展開を助けてしまうといったことも少ないでしょうし、《バントの魔除け》と合わせて万能除去8本、といった構成も夢ではありません。

また、《ドラン》デッキの魅力として、メタゲームに合わせてクリーチャーを柔軟に採用できるという利点があり、様々なタイプが模索されていますが、タッチ青により《冷静な天使/Stoic Angel》や《数多のラフィーク/Rafiq of the Many》を使うチャンスができました。前者はホードデッキによく効きますし、後者は一瞬のうちに致死圏までダメージを伸ばしてくれます。これらのクリーチャーのカードパワーはブロック構築でも既に実証済みですので、スタンダードでも試してみる価値はあります。

僕としては、《萎れ葉のしもべ/Wilt-Leaf Liege》を採用し、より「サイズで押す」コンセプトを尖らせることをオススメします。《しもべ》が出ている状態の《ドラン》や《ロウクスの戦修道士》は最早ダメージで落とすのは無理に等しく、《しもべ》を倒してから・・・としていると時間が足りません。序盤に活躍したマナクリーチャーがうっかり殴れるようになるのもポイントです。そうなると、2マナ域には《神の怒り/Wrath of God》をケアして《潮の虚ろの漕ぎ手/Tidehollow Sculler》や《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg》が入りそうですね。

前述した通り、《ドラン》デッキは構成を自分好みにチューンできるのが魅力です。その幅を《貴族の教主/Noble Hierarch》は大きく広げてくれるでしょう。様々な可能性を模索してみてください。

ところで、《流刑への道/Path to Exile》の登場を渇望していたデッキがもう一つあります。環境で最も《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》に泣かされたデッキ、白単ビートダウンです。(part3へ続く)

(カードテキストはWisdom Guildより転載しました)
どうもこんにちは。今週末はコンフラックスのプレリリースということで、新しいエキスパンションを体験するために会場に足を運ぶ方も多いのではないでしょうか。僕も明日はスタッフとしてプレリリースに携わる予定です。ご来場したプレイヤーの皆さんが1日を楽しんで帰っていただけるように努力する所存です。

新しいエキスパンションのスポイラーが揃うたびに恒例の"カードセットから活躍しそうなカードトップ10を選ぶ"という企画が盛んになりますが、優柔不断な僕は、数あるカードたちの中から10枚を選び出し、さらにそれらのカードに順位をつけるのは苦手です。そこで、トップ10を作成する前に、コンフラックス参入後のスタンダード環境がどうなるのか予想してみます。

最初は赤黒バーン(所謂《荒廃稲妻/Blightning》バーン)です。コンフラックスで補強されるカード群を見ると、「なんだかタイムスパイラルの頃に戻ったなぁ」という印象を受けます。

まず、だいぶ前から世間を賑わせていたこのカードに注目してみましょう。
Volcanic Fallout / 火山の流弾 (1)(赤)(赤)
インスタント Conflux アンコモン
火山の流弾は打ち消されない。
火山の流弾は各クリーチャーと各プレイヤーに、それぞれ2点のダメージを与える。

「《地震/Earthquake》の入っていないバーンは勝てない。相手は手札を全部展開するから」とはカバ雄先生のお言葉。こちらを攻撃してくるクリーチャーと、相手プレイヤーとのどちらにどれだけ火力を配分するかがバーンの究極的問題であり、全体火力はその問題を解決する手助けになります。タイムスパイラル時代の赤単には《硫黄破/Sulfurous Blast》という強力な全体除去があり、このデッキを支えていたのはこのカードだったと言っても過言ではありません。《レンの地の克服者/Wren’s Run Vanquisher》以下エルフのクリーチャーと《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker》をまとめて片付けたり、フェアリー相手にもインスタントタイミングで仕掛けられたりと、相手のクロックをシャットダウンするのに便利でした。

《火山の流弾/Volcanic Fallout》は、《硫黄破/Sulfurous Blast》の再来とでも呼ぶべきカードです。タフネス3が除去できなくなったことがデメリットですが、代わりに1マナ軽くなり、打ち消されなくなったことでカードパワー的には同等でしょう。赤黒バーンには《蔓延/Infest》を採用することもできましたが、これからは黒ダブルシンボルをサポートするマナベースの構築はもう必要ないでしょうし、《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》に打ち消されることもないでしょう。

次にクリーチャーですが、空白地帯だった2マナ域が埋まりそうです。
Hellspark Elemental / 地獄火花の精霊 (1)(赤)
クリーチャー ― エレメンタル(Elemental) Conflux アンコモン
トランプル、速攻
ターン終了時に、地獄火花の精霊を生け贄に捧げる。
蘇生 (1)(赤)
3 /1

Zombie Outlander / ゾンビの異国者 (黒)(赤)
クリーチャー ― ゾンビ(Zombie)スカウト(Scout)? Conflux コモン
プロテクション(白)
2/2

Shambling Remains / よろめく死体 (1)(赤)(黒)
クリーチャー ― ゾンビ(Zombie) Conflux アンコモン
よろめく死体はブロックに参加できない。
蘇生(黒)(赤)
4 /3

《地獄火花の精霊/Hellspark Elemental》は《ケルドの匪賊/Keldon Marauders》と同じような活躍をするクリーチャーでしょう。蘇生能力のおかげで相手のクリーチャーと相打ちになってもアドバンテージが取れますし、本体にダメージが通ったなら相手を焼き殺してしまえばいいだけの話です。このクリーチャーのブロックのしにくさ、《匪賊》にとっても似ていませんか?

となると、《ゾンビの異国者/Zombie Outlander》は《血騎士/Blood Knight》の生まれ変わりでしょう。先制攻撃は忘れてしまったようですが、白単の序盤のクロックである《運命の大立者/Figure of Destiny》《白蘭の騎士/Knight of the White Orchid》《メドウグレインの騎士/Knight of Meadowgrain》や、《ロウクスの戦修道士/Rhox War Monk》《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》《包囲の搭、ドラン/Doran, the Siege Tower》とブロックするクリーチャーには事欠きません。また、新しい《剣を鍬に/Swords to Plowshares》や《バントの魔除け/Bant Charm》など、白絡みの除去に当たらないのもありがたいです。

《よろめく死体/Shambling Remains》も《アッシェンムーアの抉り出し/Ashenmoor Gouger》とポジション争いをしそうです。《地獄火花の精霊》と同じく蘇生能力のおかげで本体火力のような使い方ができます。他にも《ボガートの突撃隊/Boggart Ram-Gang》というライバルもおり、3マナ域は大混戦になるでしょう。もしかしたら、2マナ域までのクリーチャーの充実により、3マナ域のクリーチャーは必要とされなくなってしまうかもしれません。そうなると、より昔のバーンタイプに近づくことになりますね。

まとめると、
《硫黄破/Sulfurous Blast》→《火山の流弾/Volcanic Fallout》
《ケルドの匪賊/Keldon Marauders》→《地獄火花の精霊/Hellspark Elemental》
《血騎士/Blood Knight》→《ゾンビの異国者/Zombie Outlander》
という各カードの"再来"が参入したことにより、全体火力で相手のクロックを抑えつつ、本体に火力を投げ込んでいく、タイムスパイラル時代の赤単バーンのような構成のデッキが現れるでしょう。環境の立ち位置としてはフェアリーにより有利になり、苦手だったエルフや白単にも新《硫黄破》のおかげで多少耐性はつきそうです(白単についてはそうでもなさそうですが・・・後述)。

さて、より前向きに、より強力になった赤黒バーンですが、苦手なデッキタイプがあります。火力1枚では倒せない大きいクリーチャーを叩きつけてくるデッキ―そう、《包囲の搭、ドラン》です。(part2に続く)

(カードテキストはhttp://www.mtg.saloon.jp/conflux/より転載させていただきました)
先週の土曜日、ちょっとした縁からレガシーの大会「けんけん杯」をジャッジとしてお手伝いさせてもらった。草の根のイベント、引いては地域のコミュニティ活性化の助けになるならば、ジャッジ資格を取った甲斐があろうというものだ。

レガシーというフォーマットは、日本ではここ数年で人気が出てきた印象がある。特に首都圏での盛り上がりは筆舌に尽くしがたく、レガシーの大会として国内で最大集客数を誇るAMC(Ancient Memory Convention)が、同じく国内有数のトーナメントであるLMC(Lunatic Moon Convention)と組んで「関東レガシー最強位決定戦」と題した大会を開催するなど、その勢いはとどまるところを知らない。しかも、スタンダードやリミテッドなどの所謂"競技マジック"と近いフォーマットとはプレイヤー層が分かれていたのに、そういった層のプレイヤーも参入することが多くなっているようだ。これからもレガシーの人口は増え続け、レガシーのトーナメントも盛んに開催されるようになるだろう。

ところで、仙台のレガシープレイヤーには2種類いるように思える。"(A)純粋にレガシーをプレイするプレイヤー"と、"(B)自分の持っているカードが使えるという都合上でレガシーをプレイするプレイヤー"だ。これは仙台に限った話ではないのかもしれないが、他の地域については全く情報がないので言及しないことにする。ちなみに、後者のような理由でレガシーを始めて、だんだん面白くなってきたからカードを集めて前者の仲間入りをした、というようなケースが多いのではないだろうか。

そして、レガシーというフォーマットは、当然のことだが、マジックの構築フォーマットの中でもヴィンテージに次いでカードパワーやデッキパワーが高い。スタンダードでは2ターン目《苦花/Bitterblossom》から4ターン目に《霧縛りの徒党/Mistbind Clique》で《枯渇/Mana Short》されるのに対し、レガシーでは2ターン目に《むかつき/Ad Nauseam》からゲームが終わる。そりゃあ、今まで印刷されてきたカードをほとんど全部使えるのなら、マジック史上で強い順番にカードをデッキに入れていけばいい。高々基本セットと2つのブロックでデッキを作るのとはワケが違うわけだ。

で、そういうデッキを作ってきたプレイヤー(A)と、「ちょっと昔使ってたカード使ってデッキを組んでみました」というプレイヤー(B)が対戦したら、結果は火を見るよりも明らかだろう。いきなり20点のライフを吸われるか、カウンターで妨害されながらタルモなんとか言うやつに数回殴られるか、まあそんな感じだろう。で、負けた(B)は再びカードたちを押し入れの奥にしまい込むか、なにくそと思ってカードを集め始めるか、のどちらかに転ぶ。後者なら晴れてまた新たなレガシープレイヤーの誕生であるが、前者なら日本の尊いマジック人口が一人減ってしまったことになる。

僕の目には、仙台のトーナメントではプレイヤー(A)と(B)のバランスが(ギリギリの均衡を保っているのか、それともちょうど良いのかわからないが)取れているように思える。カードが足りないプレイヤーも、いろいろ工夫して大会に遊びに来てくれている。プレイヤー(A)も空気を読んで、ANTをみんなで持ち込んで暴れる、というような事はしない。それでも資産的な問題なんかで(A)の方が勝ち気味であるけれど、(B)だってそれなりに楽しんでくれているようだ。

でも、だんだん競技志向が高まってくると、(B)のプレイヤーの居場所がだんだん無くなってしまうのではないか、と、ALMCのカバレッジを読んでいてふと心配になった。所謂トーナメントプレイヤーが増えてきて、もっと競技的な雰囲気が高まってくれば、プレイヤー(A)が増える。前述した通り、"真面目に"構築されたレガシーのデッキパワーは高い。すると、(B)は選択を迫られることになる―持っているカードで負け続けても大会に出るのか、それとも(A)の仲間入りをするのか、それとも大会に足を運ばなくなるのか―あんまりいいオチにならないのは、想像に難くない。

断っておくが、僕は、レガシーをやっているプレイヤーに対して、資産的に劣るプレイヤーに合わせてデッキを構築しろだとか言うつもりもないし、マジックの競技化に対して警鐘を鳴らしたいとかいうわけでもない。ただ、将来、そうなってしまったら嫌だなあと思うし、そうなっていない仙台のレガシー環境がとても貴重に思える。もし、僕が予想している出来事が起きたとしたら、今度はChoose Your Own Standard(第5版以降の基本セット1つとエキスパンション・ブロック2つを選び、それらに収録されているカードでデッキを構築する)のようなフォーマットの需要が出てくるのだろうか。何にせよ、これが杞憂であればいいのだけれど。

# Choose Your Own Standardの説明はMTG Wikiより転載。

僕自身はレガシーをほとんどプレイしませんし、そのためレガシーとそれを取り巻く環境に対して詳しくありません。ですので、レガシーに造詣が深い方からのご感想・ご意見などありましたらコメントいただければ幸いです。

明日からセンター試験だそうで。そういえば僕がセンター試験を受けてから、早3年が経っていたようです。一緒にマジックをやっていた友人が、《直観/Intuition》を制服の胸ポケットに忍ばせて試験に臨んでいたのが印象的でした。2日に渡って何科目もの試験と連続して戦っていくのは、今思えばグランプリに参加する感覚と似ていたかもしれません。

大学受験は競争ですから、運良く希望の大学に入れる人もいれば、不幸にも望んだ進路を歩めない人もいます。僕は実力がなかったのか運がなかったのか、後者に属してしまいました。それでもなんとか後期試験で合格し、仙台へ進学することになったのですが、まあ住めば都といいますか、友人にも恵まれ毎日楽しい大学生活を送っています。

今でも受験が上手くいっていたらどうなっていただろうなあ、と"もしも"の世界に思いを馳せることはありますが、どっちが幸せかなんてわからないですし、比べる意味もないかなあ、とも思います。

明日から試験に臨む高校生の皆さんへ。大事なのは結果を出すことではなくて、結果をどう受け入れるか、です。失敗しても挫けないでください。死にさえしなければ、人生何とかなるもんです。

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