バイバイ、ブラックバード
2011年12月19日 読書 コメント (1)
「伊坂幸太郎ってどんな作家?」と聞かれたら、僕は迷わずこの本を薦めるだろう。
それくらい、この物語には伊坂幸太郎のエッセンスと魅力が詰まっている。
5人の女性と同時に付き合っていた男が、それぞれの女性に別れを告げに行く、という話。太宰治の「グッドバイ」へのオマージュになっているのだとか。
どこかちょっとだけ常軌を逸したキャラクターと、彼らの掛け合いが軽快なテンポを生み出し、暗いはずの物語を軽快に進行させている。とんちんかんだけど、変に生真面目で、思いやりがある主人公・星野と、傍若無人な怪物女・繭美の凹凸コンビが良い味を出している。別れを告げに行く女性たちもそれぞれどこか変わっていて、魅力がある。
何気なく張った伏線をラストで鮮やかに回収するだけでなく、そこに人情を絡めて人間味豊かなドラマに昇華させている。1章ごとに1人の女性がフィーチャーされ、物語の進行は女性との馴れ初めやエピソードから、別れを告げる現在へ繋がる。最後に、別れ際、彼女たちが困っていることについて、主人公がささやかな手助けをする。ここに伊坂の妙があって、過去のエピソードで張っておいた伏線を回収しながら読者をハッとさせ、主人公の心配りや女性との心の交流を描くことでほろっとさせる。大きな盛り上がりや山場はなく、物語はこじんまりとしたものだが、逆にそれがストーリーの温かさを際立てている。
話の切り方もうまい。物語は、その中の問題が解決するまで終わってはいけないし、謎は解明されなくてはならない、と僕は思う。だから、そういう意味で中途半端な終わり方をしている話は好きではない。『バイバイ、ブラックバード』もそのような、尻切れトンボのような終わり方ばかりだが、僕の好みを差し引いても、それぞれの章は綺麗な終わり方をしていると言わざるを得ない。たぶん、キャラクターが巻き込まれている状況というのは問題ではなくて、伊坂が描きたかったテーマを描き切ったところで話を切っているから、不満もなく綺麗だと感じるのだろう(そういえば、『重力ピエロ』もそうだった)。
まとめると、伊坂幸太郎の魅力をぎゅっと詰め込んだ1冊になっている。
気軽に読めるので、伊坂幸太郎を読んだことがなくて、ちょっと気になっている人は手をつけてみてほしい。
それくらい、この物語には伊坂幸太郎のエッセンスと魅力が詰まっている。
5人の女性と同時に付き合っていた男が、それぞれの女性に別れを告げに行く、という話。太宰治の「グッドバイ」へのオマージュになっているのだとか。
どこかちょっとだけ常軌を逸したキャラクターと、彼らの掛け合いが軽快なテンポを生み出し、暗いはずの物語を軽快に進行させている。とんちんかんだけど、変に生真面目で、思いやりがある主人公・星野と、傍若無人な怪物女・繭美の凹凸コンビが良い味を出している。別れを告げに行く女性たちもそれぞれどこか変わっていて、魅力がある。
何気なく張った伏線をラストで鮮やかに回収するだけでなく、そこに人情を絡めて人間味豊かなドラマに昇華させている。1章ごとに1人の女性がフィーチャーされ、物語の進行は女性との馴れ初めやエピソードから、別れを告げる現在へ繋がる。最後に、別れ際、彼女たちが困っていることについて、主人公がささやかな手助けをする。ここに伊坂の妙があって、過去のエピソードで張っておいた伏線を回収しながら読者をハッとさせ、主人公の心配りや女性との心の交流を描くことでほろっとさせる。大きな盛り上がりや山場はなく、物語はこじんまりとしたものだが、逆にそれがストーリーの温かさを際立てている。
話の切り方もうまい。物語は、その中の問題が解決するまで終わってはいけないし、謎は解明されなくてはならない、と僕は思う。だから、そういう意味で中途半端な終わり方をしている話は好きではない。『バイバイ、ブラックバード』もそのような、尻切れトンボのような終わり方ばかりだが、僕の好みを差し引いても、それぞれの章は綺麗な終わり方をしていると言わざるを得ない。たぶん、キャラクターが巻き込まれている状況というのは問題ではなくて、伊坂が描きたかったテーマを描き切ったところで話を切っているから、不満もなく綺麗だと感じるのだろう(そういえば、『重力ピエロ』もそうだった)。
まとめると、伊坂幸太郎の魅力をぎゅっと詰め込んだ1冊になっている。
気軽に読めるので、伊坂幸太郎を読んだことがなくて、ちょっと気になっている人は手をつけてみてほしい。
それでも町は廻っている 9
2011年9月1日 読書 コメント (2)
相も変わらず面白い小話が揃っている。よくもまあ次々と思いつくものだ。この巻では、べちこ焼きの話が秀逸である。
物語はシンプルであればあるほど優れていると思う。優れたストーリーは、あらすじを30秒に要約したとしても面白い。長い話というのは冗長であることがほとんどで、数百ページも伏線を引っ張られると堪らない。物語が1話完結であるのも幸いして、『それ町』は、ショートショートとして非常にコンパクトにまとまっているのが良い。あんまり上手くない 素朴な絵柄もそれを手伝っているのだと思う。これが藤島康介みたいな絵柄だったら、もっと別な評価を受けていたのではないだろうか。
そういえば、話の時系列がバラバラになっていたのは何か意味があったのだろうか。
物語はシンプルであればあるほど優れていると思う。優れたストーリーは、あらすじを30秒に要約したとしても面白い。長い話というのは冗長であることがほとんどで、数百ページも伏線を引っ張られると堪らない。物語が1話完結であるのも幸いして、『それ町』は、ショートショートとして非常にコンパクトにまとまっているのが良い。
そういえば、話の時系列がバラバラになっていたのは何か意味があったのだろうか。
一言でいうと、おばあちゃん無双。
不登校の女の子が主人公で、彼女が田舎のおばあちゃんの家へ行き、おばあちゃんや自然と交流しながら精神的に成長する話。毎日の中で主人公は、草木や動物のこと、学校のこと、生きることや死ぬことなど、日常の様々な物事についておばあちゃんと会話を交わす。おばあちゃんは主人公の意見や疑問に真摯に向き合って受け答えるのだが、その一言一言に含蓄と孫に対する愛情が見て取れる。
主人公はおばあちゃんに「人は死ぬとどうなるのか」という問いをぶつけるのだが、これが物語のテーマであり最大の伏線である。おばあちゃんとの生活は回想として語られ、物語の冒頭でおばあちゃん=西の魔女は既に死んでしまう。一般に「死」というと悲しい・暗いイメージがあるのだが、この物語はそうではない。逆に「死」を仕掛けに、おばあちゃんのあたたかな愛情を鮮明に描き出すことに成功している。
展開はベタだが、お値段も安いうえに1時間ちょっとで読めて大変お手軽。通勤通学にぜひぜひ。
「西の魔女」とは、中学生の少女・まいの祖母のこと。学校へ行けないまいは、田舎の祖母のところで生活することに。まいは、祖母の家系が魔女の血筋だと聞く。祖母のいう魔女とは、代々草木についての知識を受け継ぎ、物事の先を見通す不思議な能力を持つ人だと知る。まいは自分も魔女になりたいと願い、「魔女修行」を始める。この「魔女修行」とは、意志の力を強くし、何事も自分で決めること。そのための第一歩は規則正しい生活をするといった地味なものだった。野苺を摘んでジャムをつくったり、ハーブで草木の虫を除いたりと、身近な自然を感じながらの心地よい生活が始まる。次第にまいの心は癒されていく。魔女はいう。「自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きるほうを選んだからといって、だれがシロクマを責めますか」そしてまいは、この「西の魔女」から決定的なメッセージをうけとるのだった……。
(Amazonより引用)
不登校の女の子が主人公で、彼女が田舎のおばあちゃんの家へ行き、おばあちゃんや自然と交流しながら精神的に成長する話。毎日の中で主人公は、草木や動物のこと、学校のこと、生きることや死ぬことなど、日常の様々な物事についておばあちゃんと会話を交わす。おばあちゃんは主人公の意見や疑問に真摯に向き合って受け答えるのだが、その一言一言に含蓄と孫に対する愛情が見て取れる。
主人公はおばあちゃんに「人は死ぬとどうなるのか」という問いをぶつけるのだが、これが物語のテーマであり最大の伏線である。おばあちゃんとの生活は回想として語られ、物語の冒頭でおばあちゃん=西の魔女は既に死んでしまう。一般に「死」というと悲しい・暗いイメージがあるのだが、この物語はそうではない。逆に「死」を仕掛けに、おばあちゃんのあたたかな愛情を鮮明に描き出すことに成功している。
展開はベタだが、お値段も安いうえに1時間ちょっとで読めて大変お手軽。通勤通学にぜひぜひ。
「ただ、俺にとって残っている武器は、人を信頼することくらいなんだ」
伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」
仙台を舞台に、首相暗殺の濡れ衣を着せられた主人公が必死に逃げるお話。
どうやら黒幕は相当大きい組織らしく、数ページごとにピンチが訪れます。しかも相手は容赦がありません。周到に罠を張っていますし、主人公を見かけたら余裕で発砲してきます。
で、そんな冷徹なミステリーと平行して描かれるのが、主人公に協力する人達との絆。冒頭の台詞は主人公のものですが、まさにその信頼だけで苦難を切り抜けようとします。ただのミステリーだけではなく、そこに携わる人間を濃厚に描くのが伊坂作品の好きなところです。
終盤の展開は先が気になってどんどん読み進めちゃいましたし、主人公のことを案じる人達の心遣いには何度もホロッと来ました。初めはまったく別々に行動していた登場人物が、物語が進むにつれだんだんと接近していくのが伊坂節というかなんというか。巧妙です。
ひとつ残念なのは、長編であるためと、前半はちょこちょこ読み進めていたために、恐らく鮮やかであったであろう伏線の回収に気がつけなかったことです。一気に読めばもっと面白いはず。今年の本屋大賞にも輝いたようですし、まだ読んだことがない方は是非読んでみてください。
伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」
仙台を舞台に、首相暗殺の濡れ衣を着せられた主人公が必死に逃げるお話。
どうやら黒幕は相当大きい組織らしく、数ページごとにピンチが訪れます。しかも相手は容赦がありません。周到に罠を張っていますし、主人公を見かけたら余裕で発砲してきます。
で、そんな冷徹なミステリーと平行して描かれるのが、主人公に協力する人達との絆。冒頭の台詞は主人公のものですが、まさにその信頼だけで苦難を切り抜けようとします。ただのミステリーだけではなく、そこに携わる人間を濃厚に描くのが伊坂作品の好きなところです。
終盤の展開は先が気になってどんどん読み進めちゃいましたし、主人公のことを案じる人達の心遣いには何度もホロッと来ました。初めはまったく別々に行動していた登場人物が、物語が進むにつれだんだんと接近していくのが伊坂節というかなんというか。巧妙です。
ひとつ残念なのは、長編であるためと、前半はちょこちょこ読み進めていたために、恐らく鮮やかであったであろう伏線の回収に気がつけなかったことです。一気に読めばもっと面白いはず。今年の本屋大賞にも輝いたようですし、まだ読んだことがない方は是非読んでみてください。
ゴールデンスランバー
2008年11月27日 読書
こつこつ時間を見つけて読もうとは思っているのだが中々進まず。今は真ん中くらいまで読み終えた。
日常の何気ない会話にも伏線が張られかねないので常に気が抜けない。
ホント長い間借りっぱなしで申し訳ないです>SROさん
日常の何気ない会話にも伏線が張られかねないので常に気が抜けない。
ホント長い間借りっぱなしで申し訳ないです>SROさん
元素周期 萌えて覚える化学の基本
2008年11月17日 読書
購買に置いてあったので軽く立ち読み。
萌える○○シリーズのような、もう何番煎じなのかも分からない本。元素の特徴を元に擬人化されていて、例えばダイアモンドの構成元素である炭素は、女王みたいな出で立ちをしてる。そういう意味では覚えやすい・・・のか?しかし、流石に100種以上ある元素それぞれを差別化するのは難しかったらしく、どう見ても苦しい/投げやりな擬人化がちらほら。ホウ素なんか「ダンゴを喰らえ!」とか言ってるし。
ちゃんとした人が監修してるようだし(こんな本を監修している時点で"ちゃんとした人"かどうかは議論の余地があるが)、ボリュームもあるので読めないことはない。買おうという気には全くならなかったけど。
萌える○○シリーズのような、もう何番煎じなのかも分からない本。元素の特徴を元に擬人化されていて、例えばダイアモンドの構成元素である炭素は、女王みたいな出で立ちをしてる。そういう意味では覚えやすい・・・のか?しかし、流石に100種以上ある元素それぞれを差別化するのは難しかったらしく、どう見ても苦しい/投げやりな擬人化がちらほら。ホウ素なんか「ダンゴを喰らえ!」とか言ってるし。
ちゃんとした人が監修してるようだし(こんな本を監修している時点で"ちゃんとした人"かどうかは議論の余地があるが)、ボリュームもあるので読めないことはない。買おうという気には全くならなかったけど。
人の死を見届ける「死神」と、彼が見届ける人々が織りなすちょっと不思議なドラマ。主人公の「死神」は、特定の人が死ぬ1週間前にその人の前に(人間の姿で)現れ、その死について「可」または「見送り」の判断をする。彼は、人間の死についてなんの意味も価値もないと思っており、どんな人間に対しても死ぬまでの1週間を見届け、淡々と「可」の判断を下す。そのくせ音楽を聴くのが大好きで、「人間が死ぬのは構わないが、そのついでに音楽が無くなってしまうのは困る」などと言い放つ。
主人公の視点で物語は語られるのだが、人間の常識が少し欠けている彼のちょっとズレた会話や、クールでスタイリッシュな文体がモロに伊坂節。いつもの伊坂幸太郎らしくオチはさらっと伏線を回収しつつすっきり終わる。軽快なテンポで読み進めながら、スパッと物語が終わる感覚が、伊坂幸太郎を読む一番のモチベーションになっているのかもしれない。
主人公の視点で物語は語られるのだが、人間の常識が少し欠けている彼のちょっとズレた会話や、クールでスタイリッシュな文体がモロに伊坂節。いつもの伊坂幸太郎らしくオチはさらっと伏線を回収しつつすっきり終わる。軽快なテンポで読み進めながら、スパッと物語が終わる感覚が、伊坂幸太郎を読む一番のモチベーションになっているのかもしれない。
ISBN:4101339112 文庫 江國 香織 新潮社 1994/05 ¥420
アルコール中毒で情緒不安定な妻と、ホモで恋人有りの夫というへんてこな夫婦の話。
お互いにちょっと「ズレ」ているせいでお互いを傷つけあってしまうけれども、やっぱり一緒にいたいと思う二人を描く。設定が奇抜な反面、恋愛の本質を突いた面白い作品だった。
アルコール中毒で情緒不安定な妻と、ホモで恋人有りの夫というへんてこな夫婦の話。
お互いにちょっと「ズレ」ているせいでお互いを傷つけあってしまうけれども、やっぱり一緒にいたいと思う二人を描く。設定が奇抜な反面、恋愛の本質を突いた面白い作品だった。
嘘つきアーニャの真っ赤な真実
2008年3月5日 読書
ISBN:4043756011 文庫 米原 万里 角川書店 2004/06 ¥580
筆者と、ソビエト学校で出会った友人との交流を描いたノンフィクション。
3つのエピソードが収録されており、どれも筆者による友人との思い出の回想から現在に至り、離れ離れになった友人の行方を捜して再会する流れになっており、およそ30年ぶりの再会は心温まるものがある。
話に出てくる友人の出身はそれぞれ、ギリシャ、ルーマニア、ユーゴスラビアであり、話の舞台になる1990年代には共産・社会主義の崩壊や、それに続く民族・宗教紛争という時代の流れに翻弄されることになる。このような時代の背景を、筆者と友人というごく一個人の視点から見つめ、現代に我々が抱える問題についても言及する。
ドキュメンタリーとして面白い一方で、小さな”歴史の教科書”としても非常に関心を抱かせる一冊だった。高校時代に勉強を怠っていたこの時代の背景について、もう少し詳しくなりたいと思った。
筆者と、ソビエト学校で出会った友人との交流を描いたノンフィクション。
3つのエピソードが収録されており、どれも筆者による友人との思い出の回想から現在に至り、離れ離れになった友人の行方を捜して再会する流れになっており、およそ30年ぶりの再会は心温まるものがある。
話に出てくる友人の出身はそれぞれ、ギリシャ、ルーマニア、ユーゴスラビアであり、話の舞台になる1990年代には共産・社会主義の崩壊や、それに続く民族・宗教紛争という時代の流れに翻弄されることになる。このような時代の背景を、筆者と友人というごく一個人の視点から見つめ、現代に我々が抱える問題についても言及する。
ドキュメンタリーとして面白い一方で、小さな”歴史の教科書”としても非常に関心を抱かせる一冊だった。高校時代に勉強を怠っていたこの時代の背景について、もう少し詳しくなりたいと思った。
ISBN:4087477444 文庫 唯川 恵 集英社 2004/10 ¥630
欲しいものは欲しい、結婚3回目、自称鮫科の女「るり子」。仕事も恋にものめりこめないクールな理屈や「萌」。性格も考え方も正反対だけど二人は親友同士、幼なじみの27歳。この対照的な二人が恋と友情を通してそれぞれに模索する“幸せ”のかたちとは―。女の本音と日常をリアルに写して痛快、貪欲にひたむきに生きる姿が爽快。圧倒的な共感を集めた直木賞受賞作。(裏表紙より)
サクっと読める1冊。対照的にそれぞれの道を進んでいく二人の描かれ方が非常に面白い。各所のレビューを読む限り男性よりも女性が読んだ方が共感できていいみたい。
欲しいものは欲しい、結婚3回目、自称鮫科の女「るり子」。仕事も恋にものめりこめないクールな理屈や「萌」。性格も考え方も正反対だけど二人は親友同士、幼なじみの27歳。この対照的な二人が恋と友情を通してそれぞれに模索する“幸せ”のかたちとは―。女の本音と日常をリアルに写して痛快、貪欲にひたむきに生きる姿が爽快。圧倒的な共感を集めた直木賞受賞作。(裏表紙より)
サクっと読める1冊。対照的にそれぞれの道を進んでいく二人の描かれ方が非常に面白い。各所のレビューを読む限り男性よりも女性が読んだ方が共感できていいみたい。
ISBN:4101318182 文庫 池澤 夏樹 新潮社 2001/05 ¥420
たわっちと共に仙台へ。青春18切符を使用。
青森7:11→8:38大館8:43→11:29盛岡12:11→13:40一ノ関13:54→15:38仙台
朝早くから行動開始。ちょっと日常的な生活から離れた行動が楽しくて仕方なかった。去年の冬はPTQに参加するために首都圏まで車に乗り合わせて遠征したことがあったけど、またやりたいなぁ。
電車の中では妹に貸してもらった「明るい旅情」を読んで過ごす。エッセイの類をまともに読んだのは初めて。時間を潰すのにはちょうどいいかな。
たわっちと共に仙台へ。青春18切符を使用。
青森7:11→8:38大館8:43→11:29盛岡12:11→13:40一ノ関13:54→15:38仙台
朝早くから行動開始。ちょっと日常的な生活から離れた行動が楽しくて仕方なかった。去年の冬はPTQに参加するために首都圏まで車に乗り合わせて遠征したことがあったけど、またやりたいなぁ。
電車の中では妹に貸してもらった「明るい旅情」を読んで過ごす。エッセイの類をまともに読んだのは初めて。時間を潰すのにはちょうどいいかな。
ISBN:4101215235 文庫 小川 洋子 新潮社 2005/11/26 ¥460
記憶が80分しか持続しない元数学者の「博士」と、家政婦である「私」とその息子「ルート」の心のふれあいを描いた作品。
ファンタジーのような壮大な世界観もなければ、ドラマのような劇的な山場もない。しかし、緻密な人間の描写と数学の厳格な美しさが、暖かな人と人との絆を浮き彫りにしている。
既に読んでしまった方がほとんどだと思うが、まだ読んでいない人がいたら是非。
記憶が80分しか持続しない元数学者の「博士」と、家政婦である「私」とその息子「ルート」の心のふれあいを描いた作品。
ファンタジーのような壮大な世界観もなければ、ドラマのような劇的な山場もない。しかし、緻密な人間の描写と数学の厳格な美しさが、暖かな人と人との絆を浮き彫りにしている。
既に読んでしまった方がほとんどだと思うが、まだ読んでいない人がいたら是非。
ニコニコ動画ファンブック
2007年9月12日 読書 コメント (4)
ISBN:4883806634 単行本 晋遊舎 2007/08/20 ¥980
みんな大好き「ニコニコ動画」のメタゲームをまとめた一冊。きしめんからアイマスまでしっかりカバー。ニコニコユーザーはもちろん、入門書としてももってこいです。
最近ニコニコに入り浸っている99%先生はこの本を買って、一通り読んだ後で僕に貸してくれればいいと思いました。
みんな大好き「ニコニコ動画」のメタゲームをまとめた一冊。きしめんからアイマスまでしっかりカバー。ニコニコユーザーはもちろん、入門書としてももってこいです。
最近ニコニコに入り浸っている99%先生はこの本を買って、一通り読んだ後で僕に貸してくれればいいと思いました。
オール1の落ちこぼれ、教師になる
2007年4月3日 読書
ISBN:4048839608 単行本 宮本 延春
角川書店 2006/08 ¥1,365
中学卒業の学力は漢字は名前しか書けず、数学は九九が2の段まで。英語の単語はBOOKしか知らない「オール1」の著者が、ある出会いから独学で勉強し、教師になるまでの人間ドキュメント。
前半は著者の教育に対する考え方が述べられており、後半は著者の経歴が語られています。中学を卒業してから、就職し、定時制の高校から名古屋大学に現役合格するというドラゴン桜ばりの展開に驚くばかり。ひたすら「勉強した」ということしか語られないわけですが、ちばあきおの「キャプテン」みたいな、とにかく努力努力という話が好きな僕は、夢中になって読みました。
これから新学期。勉強に対するモチベーションの上がる一冊です。すぐに読み終えられるので、見かけたら是非。
角川書店 2006/08 ¥1,365
中学卒業の学力は漢字は名前しか書けず、数学は九九が2の段まで。英語の単語はBOOKしか知らない「オール1」の著者が、ある出会いから独学で勉強し、教師になるまでの人間ドキュメント。
前半は著者の教育に対する考え方が述べられており、後半は著者の経歴が語られています。中学を卒業してから、就職し、定時制の高校から名古屋大学に現役合格するというドラゴン桜ばりの展開に驚くばかり。ひたすら「勉強した」ということしか語られないわけですが、ちばあきおの「キャプテン」みたいな、とにかく努力努力という話が好きな僕は、夢中になって読みました。
これから新学期。勉強に対するモチベーションの上がる一冊です。すぐに読み終えられるので、見かけたら是非。
アヒルと鴨のコインロッカー
2007年3月30日 読書 コメント (1)
ISBN:4488464017 文庫 伊坂 幸太郎 東京創元社 2006/12/21 ¥680
神様を
閉じ込めに
行かないか?
引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は――たった1冊の広辞苑!? そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ!
(東京創元社HPより)
映画が仙台で先行上映されるらしく、やたら宣伝されていたので読んでみることにした。
軽快な語りと共に"現在"と"過去"が織り成す物語は非常に魅力的で、続きが気になって一気に読んでしまった。
「ミステリー」という扱いをされているだけあって(?)伏線の張り方や回収が秀逸で、"心地よく"作者に騙された気分になる。
いろいろ書いていくとネタバレになりそうなので簡単にだけ。映画については、作者も言っていたように映画化はかなり難しそうなので是非見たい。
# 他の人にも読んでもらいたくてレビューしてみたんだけど、上手く書けない。。。
神様を
閉じ込めに
行かないか?
引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は――たった1冊の広辞苑!? そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ!
(東京創元社HPより)
映画が仙台で先行上映されるらしく、やたら宣伝されていたので読んでみることにした。
軽快な語りと共に"現在"と"過去"が織り成す物語は非常に魅力的で、続きが気になって一気に読んでしまった。
「ミステリー」という扱いをされているだけあって(?)伏線の張り方や回収が秀逸で、"心地よく"作者に騙された気分になる。
いろいろ書いていくとネタバレになりそうなので簡単にだけ。映画については、作者も言っていたように映画化はかなり難しそうなので是非見たい。
# 他の人にも読んでもらいたくてレビューしてみたんだけど、上手く書けない。。。