白青ビートダウンの調整と関所杯SUPER

紙のカードを触るのは楽しい！

関所杯SUPERに遊びに行ってきた。
大会を主催するえいべさんは毎回五城楼杯に足を運んでくれるので、お返しに参加しようと思った。しかしながら、最近は全くカードを集めていないので、スタンダードのデッキを作るにはなかなかお金がかかる。昔集めたカードがなるべく使えるデッキをインターネットで漁っていて、目に留まったのはsilvergillさんの白単タッチ青だ。

10《平地/Plains》
4《アゾリウスのギルド門/Azorius Guildgate》
4《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
4《蒸気孔/Steam Vents》

4《審判官の使い魔/Judge’s Familiar》
4《ドライアドの闘士/Dryad Militant》
4《万神殿の兵士/Soldier of the Pantheon》
4《ボロスの反攻者/Boros Reckoner》
4《リーヴの空騎士/Lyev Skyknight》
3《メレティスのダクソス/Daxos of Meletis》

4《精霊への挑戦/Brave the Elements》
3《護民官のサーベル/Civic Saber》
4《呪文裂き/Spell Rupture》
4《アゾリウスの魔除け/Azorius Charm》

ラヴニカへの回帰のリミテッドにてお気に入りだった《リーヴの空騎士/Lyev Skyknight》が採用されているのも、このデッキに惹かれた理由の一つだ（3マナでパワー3の飛行クリーチャーを呼びながら、相手を半分タイムワープさせる動きが弱いわけがない！）また、最近は重くて強いカードが溢れかえっており、猫も杓子もミッドレンジ、みたいな環境になっているのが気に入らなかった。そういう意味ではクロックパーミッションという選択肢は悪くないように思えた。とにかく、大会に出るために、このデッキを調整することに決めた。

まずクビになったのは、《ボロスの反攻者/Boros Reckoner》だ。このデッキはクロックパーミッションでありながら、3マナ域のクリーチャーが多すぎる印象を受けた。3マナ域のクリーチャー3種類のうち、《ボロスの反攻者/Boros Reckoner》は所持していない上に価格が高いので、解雇するのに悩む必要がなかった。

次は、《護民官のサーベル/Civic Saber》を《ヘリオッドの槍/Spear of Heliod》に変えた。デッキリストからは、2ターン目は (a) タップインランドを置きながら追加の1マナクリーチャーを呼ぶ、(b) 《護民官のサーベル/Civic Saber》を出し、装備してアタックする、(c) 《呪文裂き/Spell Rupture》を構える、というアクションをしたいように見えた。(a) はまあ許容出来るものの、(b) と (c) をするくらいなら、クリーチャーとしてのクロックを追加するアクションのほうが良いと考えた。特に (c) 《呪文裂き》を構えるは僕に言わせれば下策だ。クロックパーミッションは自分の有利な場をカウンターなどで固定するのが戦略であるから、有利な場を構築する＝十分なクロックを用意する前にカウンターを構えるのは間違っている。ともかく、1, 2ターン目はクリーチャーを召喚し、3ターン目には《槍》を貼る（《空騎士》を出して攻撃を開始するのだっていい）。カウンターを構えるのはそれからでも遅くはない。

前述の理由から2マナ域を増量し、若干の調整を加えたレシピがこちら。

10《平地/Plains》
2《島/Island》
4《アゾリウスのギルド門/Azorius Guildgate》
4《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
2《変わり谷/Mutavault》

4《審判官の使い魔/Judge’s Familiar》
4《ドライアドの闘士/Dryad Militant》
4《万神殿の兵士/Soldier of the Pantheon》
4《果敢なスカイジェク/Daring Skyjek》
3《管区の隊長/Precinct Captain》
4《返済代理人/Deputy of Acquittals》
4《リーヴの空騎士/Lyev Skyknight》

4《精霊への挑戦/Brave the Elements》
4《呪文裂き/Spell Rupture》
3《ヘリオッドの槍/Spear of Heliod》

調整として、ホビステ仙台店で土曜日に定期開催されているJK杯に参加した（harukana先輩いつも運営お疲れ様です）。

黒タッチ白コントロール（河童さん）　負け
青単信心（VMさん）　負け
Bye
青黒コントロール（まぁーさん）　勝ち

赤単が流行ったせいで、多くのデッキが赤単のクリーチャーをブロックできるクリーチャーを採用しており、このデッキもそのとばっちりを受けていることがわかった。この日は、デッキのクリーチャーの多くが《快楽殺人の暗殺者/Thrill-Kill Assassin》《凍結燃焼の奇魔/Frostburn Weird》《ザスリッドの屍術師/Xathrid Necromancer》といったブロッカーに封じ込められた。

この結果を受けて、デッキのクリーチャーは、なるべく自分自身でダメージを通すことが求められていることが明らかになった。たかが数点のダメージを通すために《精霊への挑戦/Brave the Elements》を打つことはできないことも、《返済代理人/Deputy of Acquittals》でコンバットをごまかすのが姑息な手段でしかないこともわかった。もっとシンプルに、効率よくダメージをプレイヤーに通さなくてはいけなかった。

そこで白羽の矢が立ったのは、《乗騎ペガサス/Cavalry Pegasus》だった。デッキのクリーチャーの多くが人間であることは、《ペガサス》の採用によってクリーチャーがブロックされないことを意味していた。また、《空騎士》の留置が思った以上に強力だったため、同様の能力を持つ《アゾリウスの拘引者/Azorius Arrester》も採用することにした（幸いにもコイツも人間だ）。そうやっているうちに浮いてしまっていた《ドライアドの闘士/Dryad Militant》も、素晴らしい代替カードである《ボロスの精鋭/Boros Elite》が見つかった（もちろん人間だ）。

こうしてできたのがこのレシピ。

10《平地/Plains》
4《アゾリウスのギルド門/Azorius Guildgate》
4《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
4《変わり谷/Mutavault》

4《審判官の使い魔/Judge’s Familiar》
4《万神殿の兵士/Soldier of the Pantheon》
4《ボロスの精鋭/Boros Elite》
4《乗騎ペガサス/Cavalry Pegasus》
4《アゾリウスの拘引者/Azorius Arrester》
4《管区の隊長/Precinct Captain》
3《威圧する君主/Imposing Sovereign》
4《リーヴの空騎士/Lyev Skyknight》

4《精霊への挑戦/Brave the Elements》
3《ヘリオッドの槍/Spear of Heliod》

サイドボード
4《沈黙/Silence》
4《平和な心/Pacifism》
4《放逐する僧侶/Banisher Priest》
3《鬼斬の聖騎士/Fiendslayer Paladin》

1, 2マナの展開後、《槍》か《空騎士》から攻撃を開始するのが基本パターン。《威圧する君主/Imposing Sovereign》と8枚の留置クリーチャー、それに《ペガサス》によって、ダメージがより安定して通るようになった。擬似《精霊への挑戦/Brave the Elements》が何枚も増えたことによって、本物の《挑戦》を温存できるようになった。

《呪文裂き/Spell Rupture》がリストから姿を消したことに触れておかなければなるまい。「ラスゴ（《至高の評決/Supreme Verdict》）カウンターできないのに何カウンターするの？」というマスターの言により、《呪文裂き》はサイドボードに落ちた。さらに大会当日、隣で青白コントロールを構築している某氏を見かけ、「アップキープに《沈黙/Silence》打ったら《評決》カウンターしたようなものじゃん」と思い立ち、悔しがる某氏が見たくて《呪文裂き》に変わって《沈黙》が採用された訳である。通常なら《呪文裂き》の方が良いと思う。

《管区の隊長/Precinct Captain》は純粋なカードパワーから採用されており、《果敢なスカイジェク/Daring Skyjek》と入れ替えるか最後まで悩んだ。今なら《スカイジェク》を使うと思う。《変わり谷/Mutavault》をなるべく多く取りたいという点でも、ダブルシンボルのカードは控えたい。それに、緑系のビートダウンと戦ったときには、《隊長》のパワー2＋先制攻撃よりも、《スカイジェク》のパワー3が頼りになる。

大会は39名のドラフト3回戦＋スタンダード4回戦。
ドラフトでは2パック目に《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun’s Champion》と《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》のFOILが同時に現れて悶絶。白緑をドラフトしていたので前者をピックしたが、《ゼナゴス》のFOILはどれくらいの価値があったのだろうか。

ドラフト（デッキは白緑ビートダウン）
青黒　負け
白黒（セルクくん）　負け
緑白（元締め）　勝ち

初戦は《トリトンの戦術/Triton Tactics》でシャクられて負け。2ゲーム目で見ていたのに、3ゲーム目でそれをケアしないアタックをしたところでケチがついた。

スタンダード
セレズニア　勝ち
セレズニア　勝ち
赤単　負け
緑単信心　負け

セレズニアはこちらよりもちょっと重いビートダウンなので、こちらの方が不利だと予想していたが、思ったよりも難しいゲームにはならなかった。留置でごまかしながらダメージを抜くと、意外と簡単に勝てた。サイドボード後は《ひるまぬ勇気/Unflinching Courage》がついたクリーチャーを《平和な心/Pacifism》と《放逐する僧侶/Banisher Priest》で1対2交換できるので、差し込まれないように気をつければ楽なゲームだった。

赤単はかなり不利だった。こちらのクリーチャーが火力で簡単に死んでしまう上に、《灰の盲信者/Ash Zealot》や《火拳の打撃者/Firefist Striker》が止まりにくい。《無視/Pay No Heed》などで防御に回るプランも試していたのだが、相手が速すぎるせいでスペルを構える余裕がない。また、当日になってわかったのだが、緑の中堅クリーチャー《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》《高木の巨人/Arbor Colossus》がかなりキツイ。どちらもデッキのクリーチャーを簡単に無効化してしまう。さらに不幸なことに、怪物化がインスタントタイミングで起動できるため、留置も効果が薄いのだ。

もう一度出るなら、こんなリストで出ると思う。

10《平地/Plains》
4《アゾリウスのギルド門/Azorius Guildgate》
4《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
4《変わり谷/Mutavault》

4《審判官の使い魔/Judge’s Familiar》
4《万神殿の兵士/Soldier of the Pantheon》
4《ボロスの精鋭/Boros Elite》
4《乗騎ペガサス/Cavalry Pegasus》
4《アゾリウスの拘引者/Azorius Arrester》
4《果敢なスカイジェク/Daring Skyjek》
3《威圧する君主/Imposing Sovereign》
4《リーヴの空騎士/Lyev Skyknight》

4《精霊への挑戦/Brave the Elements》
3《ヘリオッドの槍/Spear of Heliod》

サイドボード
4《呪文裂き/Spell Rupture》
4《平和な心/Pacifism》
4《鬼斬の聖騎士/Fiendslayer Paladin》
3《至高の評決/Supreme Verdict》

《至高の評決/Supreme Verdict》に辿り着かなかったのは、とても残念なことだ。上述した苦手なデッキ―赤単と緑単信心―にとても良く効く（マッチの相性差をひっくり返すほどに）。ローウィン時代のキスキン、その後の白黒トークン、ジェイスや石鍛冶亡き後の青白Caw Bladeなど、ビートダウンデッキに入るラスゴは本当に強い。押し込まれそうな盤面をいつでも跳ね返せるし、自分が若干有利な場を維持し続けることができる。安定して《評決》を撃つために、サイドボードに土地を入れてもいいかもしれない。あとは、土地を引き過ぎたときに、余分なマナをつぎ込む先がちょっとはあってもいい。《新プラーフのギルド魔道士/New Prahv Guildmage》とか、《太陽の神、ヘリオッド/Heliod, God of the Sun》とか。

ちょっと線が細く、最近のデッキにしてはパワー不足に思えるかもしれない。ただ、1マナから始まるビートダウンや、妨害能力の付いたクリーチャーの連打は、ハマると病み付きになる。大きな大会はともかく、フライデーくらいのイベントに持ち込んでみてはいかがたろうか。