ひとつ前のエントリで面白い質問をいただいたので考えてみる。

 とりあえず状況を整理。
・プレイヤーAとBが対戦中。
・Bはあるルール(例えばカードの効果)がわからないので、ジャッジを呼んで質問した。
・ジャッジは質問について、誤った回答をした。
・Aはジャッジが誤った回答をしていることをわかっていた(=正しくルールを適用すれば、そうならないことを知っていた)。
・しかし、ジャッジが主張するルールのままゲームが進行した方が、自分が有利になるので黙っていた。
・ゲームが終わった後、以上のことが判明した。

 以下に述べるのは、いちジャッジとしての考えであり、DCIの公式見解ではない。 実際はヘッドジャッジの裁量によることを留意願いたい。

 ジャッジはプレイヤーからのルールに関する質問に答えたり、ルールが破られた状況を修復したりするが、ルールを作り出しているわけではない。言いかえれば、ジャッジはあらかじめ決められたルールを伝えたり、正しく適用したりしているだけである。

 あくまでもジャッジはルールを運用するだけであり、それを作成・修正する権利を持たない。ところで、『マジック大会規定』によると、プレイヤーは「明瞭で適正なゲームの局面を保つ」ことが義務とされている。これより、プレイヤーは、たとえジャッジから伝えられたものだとしても、誤ったルールによってゲームが進行しないようにすることが求められていると解釈する。

 つまり、前述のような状況が起こったとしたら、プレイヤーAには「イカサマ ─ 詐欺行為」のペナルティが与えられるべきである。

 ただし、ヘッドジャッジは「最終の裁定権限者であり、すべての大会参加者はその解釈に従わなければならない。」とされているので、ヘッドジャッジが主張したルールはその大会では真のルールよりも優先される。

コメント

JING
2010年2月12日19:32

野球やサッカーの審判同様
誤っていたとしても審判の裁定は絶対ってことですね

Fの人
2010年2月13日0:26

1つ前のエントリから興味深いので拝見させていただきました。

結局はスポーツと同じで対戦競技である以上、
「・しかし、ジャッジが主張するルールのままゲームが進行した方が、自分が有利になるので黙っていた。」
これが起きなくなるような環境であることがMTGというゲームに対する態度として大前提なんじゃないかなと自分は思います。
スポーツでも「審判が見ていないから良い」というのは単なる言い逃れでしかないですし、それがまかり通ってしまう競技なんて衰退してしかるべきだと思います。

極論すれば罰則があるなし与える与えないの問題じゃないんですよね。
プレイヤーの尊厳が問われる問題だと個人的には思っています。

ついでのようで申し訳ないですが、リンクさせていただきましたことを報告させていただきます。

Ei-m
2010年2月14日13:36

>ジンさん
強さでいうと
フロアジャッジ<<<ルール<<<ヘッドジャッジ
ですね。

>Fの人さん
リンクありがとうございます。

実際、そのような状況が起こりえるんですよね。本文で書いたケースのように、プレイヤーが黙っていたことが判明することは少ないでしょうが、賞品や名誉がかかっていれば魔が差してしまうことは仕方ないことだと思います。プレイヤーが自白しない限りバレないことなので、今のところプレイヤーの良心に期待する、くらいしか手の施しようがないですね。

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