大学の購買で上巻を立ち読みして気になっていたところ、カバ雄先生が下巻まで揃えて貸してくれた。渡りに船。

数学が好きな主人公の”僕”は、放課後には図書室で数学の問題に取り組む。彼が気になっているのは、いつも隣に座って数学の話をする、ちょっと無愛想な”ミルカさん”。そしてそんな彼を慕う、ちょっと数学が苦手な”テトラちゃん”。放課後の図書室で、ミルカさんの出題した問題を解いたり、テトラちゃんに数学を教えたりしていくうちに交わり合う、3人の気持ちの行方は・・・?ってなお話。

数列とか、素数の定義とか、複素平面とか、いつも数学から話は始まる。そして、数式の並ぶノートからふっと恋愛にフォーカスが向けられる。例えば、「数学では、できるだけ誤解が生じないように、厳密に言葉を使うんだ」という数学の話から、ふいに「でも、ミルカさんに対する気持ちは曖昧な言葉を重ねるだけでわからない」と恋愛の話に繋がる。数学というレンズを通して恋愛を描く、という感じだろうか。数学と恋愛という、一見結びつかない話題を緩急自在に結びつけているのが面白い。

昔、物理の教師が言っていたことを思い出す。あれは受験勉強のときだ。
「物体には慣性があるから、外力を加えないとそのままの状態でいようとするんだ。お前らも同じだ。変わろうとするなら外力を加えないとダメだ。気合いを入れろ」

きっと、理系の人々は、自分の専攻する分野から世界を覗くに違いない。

コメント

nophoto
昆布
2009年10月15日22:44

フィボナッチの第100項出すのに4ページ使っててシビれました。

Ei-m
2009年10月18日23:36

全部計算しちゃうテトラちゃんが可愛すぎました。

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