とある田舎に、マジックが好きで好きで仕方のない青年がいました。彼は進学の折、マジックの盛んな東京へ行き、自分の腕を磨きたいと考えていましたが、不運にもそれは叶わなくなってしまいました。

かわりに、青年は仙台へ行くことに決めました。というのも、仙台には素晴らしいデッキビルダーがいることを知っていたからです。青年は以前から彼がインターネットを通して発表していた文章を読み漁っていて、その理論立った文章は青年だけでなく、多くの読者を惹き付けていました。

それから間もなく、青年は仙台に引っ越し、前にも増してマジックにのめり込みました。そのおかげか幸運にもプロツアーへの切符を手に入れました。さらに幸いなことに、そのデッキビルダーも同じ切符を既に手にしており、青年は彼と知り合うことができました。

彼と共にプロツアーへ行ってから、青年は彼から多くのことを学びました。特に、マジックに向き合う彼の態度は、青年が今まで見てきたどんなプレイヤーよりも真摯で、見習うべきものでした。

その後、青年は彼と交流を深めるだけでなく、彼を通じてたくさんのマジックプレイヤーと知り合うことができました。青年は幸せでした。たった一人のデッキビルダーに出会うだけで、青年の世界は広がりに広がったのですから。

そんなある日のこと。彼はインターネットで文章を書くのを終わりにする、と発表しました。この発表に、彼の文章を読んできた多くの人が寂しさを覚えずにはいられませんでした。青年もその一人でした。青年は、彼の書いてきた文章を読み返しました。彼がインターネットで文章を公開し始めた日から、今日に至るまでのすべての文章を、彼が生きた日々を追うかのように読み返しました。

夢中で読みふけるうち、青年はすべての文章を読み終えてしまいました。そして、最後の文章を読み終えたとき、青年は思いました。

「ああ、もっと彼の文章が読みたい。」と。

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