デッキ解説 - サヴラヴ
2006年5月19日 Magic: the Gatheringディセンション参入後の新環境を考えるヒントになれば幸い。
サヴラヴ(スタンダード:9ED、GPT)
4《草むした墓/Overgrown Tomb》
4《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes》
1《死の溜まる地、死蔵/Shizo, Death’s Storehouse》
1《先祖の院、翁神社/Okina, Temple to the Grandfathers》
7《沼/Swamp》
6《森/Forest》
4《極楽鳥/Birds of Paradise》
3《病に倒れたルサルカ/Plagued Rusalka》
4《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》
3《ゴルガリのギルド魔道士/Golgari Guildmage》
4《よろめく殻/Shambling Shell》
3《ネクラタル/Nekrataal》
3《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》
2《ゴルガリの女王、サヴラ/Savra, Queen of the Golgari》
4《墓穴までの契約/Grave Pact》
3《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
4《化膿/Putrefy》
Sideboard:
4《最後の喘ぎ/Last Gasp》
4《迫害/Persecute》
4《悪夢の虚空/Nightmare Void》
3《帰化/Naturalize》
神河 - ラヴニカ環境の特徴は何か?
《化膿/Putrefy》《屈辱/Mortify》《信仰の足枷/Faith’s Fetters》と、この環境は単体除去が強すぎる。またクリーチャーの質も高い。《密林の猿人/Kird Ape》《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》をはじめとするZOOを支える軽量クリーチャーから《オルゾヴァの幽霊議員/Ghost Council of Orzhova》などの死ににくいクリーチャー。誰だこんな札束環境にしたのは。
簡単にまとめると、この環境は「質」のカードが多い。1対Xはできなくても、1対1交換は確実に取れるカードが多いということだ。ディセンションで《シミックの空呑み/Simic Sky Swallower》が注目されているのも、これらの「質」のカードに対する回答策となっているからであろう。
そこで、僕はこの環境でデッキを構築する際に、あるひとつのコンセプトからはじめることにした。
それは『ある程度の「質」を確保しながら、「量」のアドバンテージも重視する』ことである。1対1のやりとりが多いのならば、手数の多いほうが有利じゃないか。単純な発想である。
「量」のアドバンテージを取るためのカードのアイディアは、福田クミチョーの使っていたデッキを参考にさせていただきました。この場を借りてお礼をさせていただきます。ズバリ《墓穴までの契約/Grave Pact》。《墓穴までの契約/Grave Pact》は出してしまえば、こちらのクリーチャーのサイズは問題ではなくなる。相打ちでもチャンプブロックでも、確実に1対1交換ができる。また除去が飛んできても、相手ののクリーチャーも1体いなくなるわけだから、1体2交換である(厳密にはこちらが《墓穴までの契約/Grave Pact》を使っているのでちょっと違うが)。
またドローの質を擬似的に上げる仕組みとして「発掘」を採用。《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》は終盤のエンドカードとして重宝した。
ちなみに《墓穴までの契約/Grave Pact》が集まらなかったため、調整当初は《ゴルガリの女王、サヴラ/Savra, Queen of the Golgari》がその代わりとして4枚も入っていた。これがデッキ名「サヴラヴ」につながる。
閑話休題。カード解説に入ろう。
《極楽鳥/Birds of Paradise》
マナベース。調整の最後まで《遥か見/Farseek》と迷っていたのだが、《病に倒れたルサルカ/Plagued Rusalka》《墓穴までの契約/Grave Pact》《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》との兼ね合いを考えてこちらになった。
《病に倒れたルサルカ/Plagued Rusalka》
軽量クリーチャーに対しては1体2交換も望める序盤の要。
《墓穴までの契約/Grave Pact》《ゴルガリの女王、サヴラ/Savra, Queen of the Golgari》とのシナジーも見逃せない。
《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》
みんな大好きおじいちゃん。マナベース安定のために活躍してもらう。
やっぱり《墓穴までの契約/Grave Pact》との相性がいい。
《ゴルガリのギルド魔道士/Golgari Guildmage》
《ネクラタル/Nekrataal》を使いまわすためのツール。
《墓穴までの契約/Grave Pact》との相性で採用されたが、後に《残虐の手/Hand of Cruelty》に交代。
《よろめく殻/Shambling Shell》
中盤から終盤にかけて活躍する自爆用クリーチャー。
《墓穴までの契約/Grave Pact》を張ったらこいつを発掘してるだけで勝てる。
《ネクラタル/Nekrataal》
CIP能力を持つクリーチャーはデッキのコンセプトに一致する。
サイズで劣るステロイド戦で特に重宝する。
《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》
調整初期では《囚われしもの、幽孤羅/Yukora, the Prisoner》だったが、上手く動かないためにこいつが採用。オルゾフ相手にはこいつだけ連打していれば勝てる。
《ゴルガリの女王、サヴラ/Savra, Queen of the Golgari》
5,6枚目の《墓穴までの契約/Grave Pact》。
所詮紙レアだが、このデッキでは割と活躍する。
《墓穴までの契約/Grave Pact》
このデッキのキーカード。質と量のアドバンテージをバランスよく追求できる。
《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
クリーチャーはほとんどが小型なので、強化してやらないとビートダウンは難しい。
《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》も選択肢にあったが、ZOO戦などでのライフ回復が嬉しいのでこちらで。
《化膿/Putrefy》
ゴルガリといえばこの呪文。問答無用の1体1交換除去。
サイドボード
《最後の喘ぎ/Last Gasp》
ZOOは速すぎるので《墓穴までの契約/Grave Pact》が間に合わないこともある。
そのための追加除去。
《迫害/Persecute》
コントロールに対する回答策。マナブーストから3ターン目に打ちたい。
《悪夢の虚空/Nightmare Void》
コントロールに対する回答策その2。《よろめく殻/Shambling Shell》《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》との相性もよい。
《帰化/Naturalize》
主にマガシュー対策。単純にスピード勝負しても勝てない。
各デッキとのマッチアップ。
ステロイド(グルール・ビート)
こちらがかなり有利。相手が《墓穴までの契約/Grave Pact》に触れないうえ、《ネクラタル/Nekrataal》が偉すぎる。特にサイドボードもする必要はない。
ZOO
鬼回りされなければ勝てる。本体火力が多いので、ライフに気をつけて戦いたい。目安としては13点以上残るように。サイドからは《最後の喘ぎ/Last Gasp》まで入るのでまず負けない。
オルゾフ・ビート
序盤をしのいで《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》を連打すればOK。《屈辱/Mortify》なんか怖くない。さらに《ヴェクの聖騎士/Paladin en-Vec》が入っていなければ楽勝。入っていたら《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》を持たれないうちに《墓穴までの契約/Grave Pact》で除去したい。
イゼットロン
相性はあまり良くない。《連絡/Tidings》さえ打たれなければトップデッキ合戦で発掘できるこちらが有利なのだが…。《電解/Electrolyze》や《撤廃/Repeal》がかなり痛い。サイドボードからハンデスを積んで頑張りたい。
マガシュー
純粋なビートダウン能力は低いので、スピードで負けてしまう。
サイドボードからハンデスが入れば有利に。《よろめく殻/Shambling Shell》と《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》を発掘しまくって《悪夢の虚空/Nightmare Void》を探す一風変わったゲームが楽しめる。
オウリングマイン、グレーターギフト、オルゾフ・コントロール、ロックスなどとのデータは取れていない。
ディセンション参入後もカードの「質」は高いままであろう。どうやって「量」を確保できるかが、この先のメタデッキを考える上で重要になるに違いない。
特に《墓穴までの契約/Grave Pact》には大きな期待を寄せている。《血の魔女リゾルダ/Lyzolda, the Blood Witch》のいるラクドスなどには既に採用されているようだ。
というわけで、僕のデッキ構築のアプローチを示してみた。はじめにも書いたように、ディセンション参入後の新環境を考えるヒントになれば幸いである。意見や質問、感想などのコメントも是非欲しい。
それでは、良いメタゲームを!
サヴラヴ(スタンダード:9ED、GPT)
4《草むした墓/Overgrown Tomb》
4《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes》
1《死の溜まる地、死蔵/Shizo, Death’s Storehouse》
1《先祖の院、翁神社/Okina, Temple to the Grandfathers》
7《沼/Swamp》
6《森/Forest》
4《極楽鳥/Birds of Paradise》
3《病に倒れたルサルカ/Plagued Rusalka》
4《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》
3《ゴルガリのギルド魔道士/Golgari Guildmage》
4《よろめく殻/Shambling Shell》
3《ネクラタル/Nekrataal》
3《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》
2《ゴルガリの女王、サヴラ/Savra, Queen of the Golgari》
4《墓穴までの契約/Grave Pact》
3《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
4《化膿/Putrefy》
Sideboard:
4《最後の喘ぎ/Last Gasp》
4《迫害/Persecute》
4《悪夢の虚空/Nightmare Void》
3《帰化/Naturalize》
神河 - ラヴニカ環境の特徴は何か?
《化膿/Putrefy》《屈辱/Mortify》《信仰の足枷/Faith’s Fetters》と、この環境は単体除去が強すぎる。またクリーチャーの質も高い。《密林の猿人/Kird Ape》《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》をはじめとするZOOを支える軽量クリーチャーから《オルゾヴァの幽霊議員/Ghost Council of Orzhova》などの死ににくいクリーチャー。誰だこんな札束環境にしたのは。
簡単にまとめると、この環境は「質」のカードが多い。1対Xはできなくても、1対1交換は確実に取れるカードが多いということだ。ディセンションで《シミックの空呑み/Simic Sky Swallower》が注目されているのも、これらの「質」のカードに対する回答策となっているからであろう。
そこで、僕はこの環境でデッキを構築する際に、あるひとつのコンセプトからはじめることにした。
それは『ある程度の「質」を確保しながら、「量」のアドバンテージも重視する』ことである。1対1のやりとりが多いのならば、手数の多いほうが有利じゃないか。単純な発想である。
「量」のアドバンテージを取るためのカードのアイディアは、福田クミチョーの使っていたデッキを参考にさせていただきました。この場を借りてお礼をさせていただきます。ズバリ《墓穴までの契約/Grave Pact》。《墓穴までの契約/Grave Pact》は出してしまえば、こちらのクリーチャーのサイズは問題ではなくなる。相打ちでもチャンプブロックでも、確実に1対1交換ができる。また除去が飛んできても、相手ののクリーチャーも1体いなくなるわけだから、1体2交換である(厳密にはこちらが《墓穴までの契約/Grave Pact》を使っているのでちょっと違うが)。
またドローの質を擬似的に上げる仕組みとして「発掘」を採用。《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》は終盤のエンドカードとして重宝した。
ちなみに《墓穴までの契約/Grave Pact》が集まらなかったため、調整当初は《ゴルガリの女王、サヴラ/Savra, Queen of the Golgari》がその代わりとして4枚も入っていた。これがデッキ名「サヴラヴ」につながる。
閑話休題。カード解説に入ろう。
《極楽鳥/Birds of Paradise》
マナベース。調整の最後まで《遥か見/Farseek》と迷っていたのだが、《病に倒れたルサルカ/Plagued Rusalka》《墓穴までの契約/Grave Pact》《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》との兼ね合いを考えてこちらになった。
《病に倒れたルサルカ/Plagued Rusalka》
軽量クリーチャーに対しては1体2交換も望める序盤の要。
《墓穴までの契約/Grave Pact》《ゴルガリの女王、サヴラ/Savra, Queen of the Golgari》とのシナジーも見逃せない。
《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》
みんな大好きおじいちゃん。マナベース安定のために活躍してもらう。
やっぱり《墓穴までの契約/Grave Pact》との相性がいい。
《ゴルガリのギルド魔道士/Golgari Guildmage》
《ネクラタル/Nekrataal》を使いまわすためのツール。
《墓穴までの契約/Grave Pact》との相性で採用されたが、後に《残虐の手/Hand of Cruelty》に交代。
《よろめく殻/Shambling Shell》
中盤から終盤にかけて活躍する自爆用クリーチャー。
《墓穴までの契約/Grave Pact》を張ったらこいつを発掘してるだけで勝てる。
《ネクラタル/Nekrataal》
CIP能力を持つクリーチャーはデッキのコンセプトに一致する。
サイズで劣るステロイド戦で特に重宝する。
《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》
調整初期では《囚われしもの、幽孤羅/Yukora, the Prisoner》だったが、上手く動かないためにこいつが採用。オルゾフ相手にはこいつだけ連打していれば勝てる。
《ゴルガリの女王、サヴラ/Savra, Queen of the Golgari》
5,6枚目の《墓穴までの契約/Grave Pact》。
所詮紙レアだが、このデッキでは割と活躍する。
《墓穴までの契約/Grave Pact》
このデッキのキーカード。質と量のアドバンテージをバランスよく追求できる。
《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
クリーチャーはほとんどが小型なので、強化してやらないとビートダウンは難しい。
《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》も選択肢にあったが、ZOO戦などでのライフ回復が嬉しいのでこちらで。
《化膿/Putrefy》
ゴルガリといえばこの呪文。問答無用の1体1交換除去。
サイドボード
《最後の喘ぎ/Last Gasp》
ZOOは速すぎるので《墓穴までの契約/Grave Pact》が間に合わないこともある。
そのための追加除去。
《迫害/Persecute》
コントロールに対する回答策。マナブーストから3ターン目に打ちたい。
《悪夢の虚空/Nightmare Void》
コントロールに対する回答策その2。《よろめく殻/Shambling Shell》《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》との相性もよい。
《帰化/Naturalize》
主にマガシュー対策。単純にスピード勝負しても勝てない。
各デッキとのマッチアップ。
ステロイド(グルール・ビート)
こちらがかなり有利。相手が《墓穴までの契約/Grave Pact》に触れないうえ、《ネクラタル/Nekrataal》が偉すぎる。特にサイドボードもする必要はない。
ZOO
鬼回りされなければ勝てる。本体火力が多いので、ライフに気をつけて戦いたい。目安としては13点以上残るように。サイドからは《最後の喘ぎ/Last Gasp》まで入るのでまず負けない。
オルゾフ・ビート
序盤をしのいで《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》を連打すればOK。《屈辱/Mortify》なんか怖くない。さらに《ヴェクの聖騎士/Paladin en-Vec》が入っていなければ楽勝。入っていたら《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》を持たれないうちに《墓穴までの契約/Grave Pact》で除去したい。
イゼットロン
相性はあまり良くない。《連絡/Tidings》さえ打たれなければトップデッキ合戦で発掘できるこちらが有利なのだが…。《電解/Electrolyze》や《撤廃/Repeal》がかなり痛い。サイドボードからハンデスを積んで頑張りたい。
マガシュー
純粋なビートダウン能力は低いので、スピードで負けてしまう。
サイドボードからハンデスが入れば有利に。《よろめく殻/Shambling Shell》と《ゴルガリの墓トロール/Golgari Grave-Troll》を発掘しまくって《悪夢の虚空/Nightmare Void》を探す一風変わったゲームが楽しめる。
オウリングマイン、グレーターギフト、オルゾフ・コントロール、ロックスなどとのデータは取れていない。
ディセンション参入後もカードの「質」は高いままであろう。どうやって「量」を確保できるかが、この先のメタデッキを考える上で重要になるに違いない。
特に《墓穴までの契約/Grave Pact》には大きな期待を寄せている。《血の魔女リゾルダ/Lyzolda, the Blood Witch》のいるラクドスなどには既に採用されているようだ。
というわけで、僕のデッキ構築のアプローチを示してみた。はじめにも書いたように、ディセンション参入後の新環境を考えるヒントになれば幸いである。意見や質問、感想などのコメントも是非欲しい。
それでは、良いメタゲームを!
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