2つのトロンと基本ターン
2005年8月17日 Magic: the Gatheringイタリア、フランス、アメリカと、国別選手権が終わった。
新鋭の黒単ウイニーや、古参の白ウィニー、ビッグレッドが健闘する中、イタリア・フランスでは緑トロンが、アメリカでは青トロンが選手権を制した。今日はこの2つの「トロン」について基本ターンの考え方を用いて考察してみたいと思う。
基本ターンってなに?という方は
http://www.actv.ne.jp/~yasai313/note/mtg/ft.htm
http://members.at.infoseek.co.jp/braingeyser/04/0803.html
こちらを参照してください。
まず緑トロン。このデッキの基本ターンはいままで『4』だった。《刈り取りと種まき/Reap and Sow》を打つなどしてウルザトロンを揃えるターンは、平均して4ターン目であろう。しかしフランス・イタリアで使われた緑トロンの基本ターンは『3』が適当だと思う。なぜ1ターン早くなったかというと--------そう、《金属モックス/Chrome Mox》だ。このカードのおかげで1ターン目から《森の占術/Sylvan Scrying》をプレイすることが出来るし、《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》から一気にマナブーストもできる。そして《ぶどう棚/Vine Trellis》まで採用することによって、3ターン目までに4マナを安定して確保することに成功したのだ。緑トロンの安定した基本ターン『3』が、イタリア・フランスで勝った理由だろう。
次に青トロン。《島/Island》とウルザランド3枚を置ける4ターン目が基本ターンということで問題ないだろう。4ターン目というと白ウィニーは《栄光の頌歌/Glorious Anthem》まで置いて総攻撃してるだろうし、ビッグレッドは《弧炎撒き/Arc-Slogger》なんかがプレイされている頃だろう。青トロンの特筆すべきは基本ターンの早さじゃない。「基本ターンの安定性と、それが来るまで相手に基本ターンを迎えさせない」ことなんだ。《血清の幻視/Serum Visions》や《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》などを駆使して、これでもかというほどライブラリを掘る。ウルザランドが揃うまでは《卑下/Condescend》や《マナ漏出/Mana Leak》で足止めする。結果、自分が基本ターンを先に迎えて、めでたく勝利-----となるわけだ。
では、この2つのデッキを対策してみよう。基本ターンが分かれば対策を立てるのは幾分簡単になるだろう。まず緑トロンだが、このデッキの基本ターンは『3』だったね。3ターン目までに邪魔できるカード-----例えば《困窮/Distress》かな。ランドサーチを捨てさせることが出来れば、少しは基本ターンが伸びるはずだ。《石の雨/Stone Rain》もいい選択肢となるだろう。《減衰のマトリックス/Damping Matrix》も合格点。こうやって基本ターンを使って考えてみると《すき込み/Plow Under》はちょっと遅いかな?と思うだろう。それは正解だ。早いターンに打てない《すき込み/Plow Under》はさして緑トロンにプレッシャーにはなりえないのだ。(分かってると思うけど、これらのカードを使うだけじゃなくて、別に攻撃手段も用意しなきゃいけないからね)
じゃあ青トロンは?これは結構難しい。向こうは緑トロンとは違ってしっかりした防御手段---要するにカウンターを持ってる。ということはカウンターされることも考えて、4ターン目までに妨害できるカードを最低でも2枚は使わなきゃいけないということだ。これは上記の緑トロン対策に加えて、対策カードの枚数を増やすしかない。幸いカウンターはそれほど厚くは無いはずだから、1枚はカウンターをすり抜けてくれるだろう。それが《荒廃の思考/Thoughts of Ruin》とか、大ダメージを与えられるカードだといいのだが・・・まぁここはプレイングの巧みさ如何かな。
こんなふうに基本ターンで考えてみると、少し違った視点からデッキを考え直せると思う。緑トロンはともかく、青トロンはどんどん流行すると思うので、様々な方向から対策を考えてみてほしい。この記事が、あなたのメタゲームの手助けになれば幸いである。
# こうやって考えると《ブーメラン/Boomerang》や《未達の目/Eye of Nowhere》などのバウンスを詰め込んだデッキって、強そうじゃないですか?(笑
新鋭の黒単ウイニーや、古参の白ウィニー、ビッグレッドが健闘する中、イタリア・フランスでは緑トロンが、アメリカでは青トロンが選手権を制した。今日はこの2つの「トロン」について基本ターンの考え方を用いて考察してみたいと思う。
基本ターンってなに?という方は
http://www.actv.ne.jp/~yasai313/note/mtg/ft.htm
http://members.at.infoseek.co.jp/braingeyser/04/0803.html
こちらを参照してください。
まず緑トロン。このデッキの基本ターンはいままで『4』だった。《刈り取りと種まき/Reap and Sow》を打つなどしてウルザトロンを揃えるターンは、平均して4ターン目であろう。しかしフランス・イタリアで使われた緑トロンの基本ターンは『3』が適当だと思う。なぜ1ターン早くなったかというと--------そう、《金属モックス/Chrome Mox》だ。このカードのおかげで1ターン目から《森の占術/Sylvan Scrying》をプレイすることが出来るし、《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》から一気にマナブーストもできる。そして《ぶどう棚/Vine Trellis》まで採用することによって、3ターン目までに4マナを安定して確保することに成功したのだ。緑トロンの安定した基本ターン『3』が、イタリア・フランスで勝った理由だろう。
次に青トロン。《島/Island》とウルザランド3枚を置ける4ターン目が基本ターンということで問題ないだろう。4ターン目というと白ウィニーは《栄光の頌歌/Glorious Anthem》まで置いて総攻撃してるだろうし、ビッグレッドは《弧炎撒き/Arc-Slogger》なんかがプレイされている頃だろう。青トロンの特筆すべきは基本ターンの早さじゃない。「基本ターンの安定性と、それが来るまで相手に基本ターンを迎えさせない」ことなんだ。《血清の幻視/Serum Visions》や《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》などを駆使して、これでもかというほどライブラリを掘る。ウルザランドが揃うまでは《卑下/Condescend》や《マナ漏出/Mana Leak》で足止めする。結果、自分が基本ターンを先に迎えて、めでたく勝利-----となるわけだ。
では、この2つのデッキを対策してみよう。基本ターンが分かれば対策を立てるのは幾分簡単になるだろう。まず緑トロンだが、このデッキの基本ターンは『3』だったね。3ターン目までに邪魔できるカード-----例えば《困窮/Distress》かな。ランドサーチを捨てさせることが出来れば、少しは基本ターンが伸びるはずだ。《石の雨/Stone Rain》もいい選択肢となるだろう。《減衰のマトリックス/Damping Matrix》も合格点。こうやって基本ターンを使って考えてみると《すき込み/Plow Under》はちょっと遅いかな?と思うだろう。それは正解だ。早いターンに打てない《すき込み/Plow Under》はさして緑トロンにプレッシャーにはなりえないのだ。(分かってると思うけど、これらのカードを使うだけじゃなくて、別に攻撃手段も用意しなきゃいけないからね)
じゃあ青トロンは?これは結構難しい。向こうは緑トロンとは違ってしっかりした防御手段---要するにカウンターを持ってる。ということはカウンターされることも考えて、4ターン目までに妨害できるカードを最低でも2枚は使わなきゃいけないということだ。これは上記の緑トロン対策に加えて、対策カードの枚数を増やすしかない。幸いカウンターはそれほど厚くは無いはずだから、1枚はカウンターをすり抜けてくれるだろう。それが《荒廃の思考/Thoughts of Ruin》とか、大ダメージを与えられるカードだといいのだが・・・まぁここはプレイングの巧みさ如何かな。
こんなふうに基本ターンで考えてみると、少し違った視点からデッキを考え直せると思う。緑トロンはともかく、青トロンはどんどん流行すると思うので、様々な方向から対策を考えてみてほしい。この記事が、あなたのメタゲームの手助けになれば幸いである。
# こうやって考えると《ブーメラン/Boomerang》や《未達の目/Eye of Nowhere》などのバウンスを詰め込んだデッキって、強そうじゃないですか?(笑
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